■フレームを選ぶ

■材質

フレームは自転車の乗り味を大きく左右する部品です。単にサスペンションの有無だけではなく、同じ形をしたフレームでも堅さが材質によってだいぶ違います。材質は
 ・アルミ:とにかく堅い
 ・カーボン:軽くて弾力性がある(らしい) <−乗ったこと無いのでわかりません。
 ・鉄:ちょっと重いが弾力性がある
 ・チタン:軽いが、ちょっと柔らかい。
の4種類です。フレームは総額の1/3〜1/5になる最も高い部品です。アルミ以外のフレームは大抵10万円以上しますので、フレームと価格のバランスを取り(高価なフレームに安い部品ではもったいない)、アルミ以外の材質を選択すると30〜50万円コースになってしまいます。鉄のフレームはかなり少数派です。アルミのフレームの安い物(ブリジストン XA3F)は送料込み¥52300ほどで購入できるようです(安売り店のアスキーサイクルの価格)。

■サイズ

人と自転車が接している場所は以下の3カ所です。
 1.ペダル
 2.サドル
 3.ハンドル
フレームのサイズによって、この3点の位置がだいたい決まります。ペダル<−>サドル間の距離はシートポストの突き出し量で20〜30cm以上も無段階に調整できますが、サドル<−>ハンドル間の距離はステムを交換しないと変更できず調整幅も実質5〜6cmしかありません。従ってフレームサイズで神経質にならなければならいのは「A」よりも「B」です。「B」が短すぎたりしたらフレームを買い換えなければなりません。長すぎたら...身長を伸ばすよう努力しましょう。もし成長が既に止まっているなら同じく買い換えになります。


適切なBの長さですが、自転車に乗ってみないと解りません。MTBに初めて乗る人なら、極端に小さすぎたり大きすぎたりするのは解っても適切なサイズは、たぶん乗っても解りません。そこいらを10kmほど走るだけなら楽ちんなママチャリポジションでかまいませんが、スピードを追求するとサドルは恐ろしく高く(サドルはへそよりは下ですが骨盤より上です)、ハンドルは遠く低く(サドルより低く)なります。試乗しつつ自転車屋の店員(実際にMTBに乗っている人でないと意味がありません)に確認するのが一番です。

下は普段乗っているロードバイクです。このフレームのBの長さは535mmです。ロードバイクは通常ブレーキブラケットを握った状態で走ることが多くなりますが、その位置はステアリングコラムより20cm近く前方にあります。MTBの場合、ハンドルが真っ直ぐなので、ハンドルを握る手の位置はステアリングコラムからステムの長さ分だけしか前方に移動しません、従ってロードバイクと同じポジションを取ろうとするとフレームのBの長さはロードバイクより10cm近く長くなければいけません。但しロードバイクのポジションは余裕が無く悪路走行、特に荒れた下りの急坂の走行は無理です。
ドロップハンドルの一番手前側の横になっている部分(写真ではライトや黒いスピードメーターが付いている部分の直ぐ外側)を持って走ることもありますが、この位置だとハンドルが近すぎて上体が起きてしまいます。そんなわけで 535+110 〜 535+200 の真ん中あたりの 690mm にハンドルがくるようにフレームを選ぶことにします。ステムは80〜120mmまで、10mm単位に長さの違う物が販売されているので 690−100=590mm が適切なBの長さということに決めてみました。


■気にしなければならない規格の種類とバリエーション

・サイズ:
  スポーツ用品なので機材を体に合わせます。体を機材に合わせてはダメです。
・シートチューブの内径:
  シートポストがささる部分の内径は27.2mmの物が大多数です。
  部品(=シートポスト)の選択肢が狭くなるのでこのサイズ以外の物を購入しないのが無難です。
  このサイズでなければ安物か高級品のどちらかです。
・ブレーキ取り付け台座:
  ディスクブレーキもリムブレーキ(SHIMANOの製品名であるVブレーキと呼ぶのが一般的です)も台座がなければ取り付けられません。
  両方付いている物もありますし、専用の物もあります。後から台座を取り付けることは出来ないので専用の物を買ったらブレーキ種類の変更は出来ません。
・メーカー:
  日本製以外は自転車販売店で加工してもらう必要があります。
  以下の3カ所です。
   1.クランクが入る部分のネジさらいとフェースカット
   2.ヘッドチューブフェースカット
   3.ディスクブレーキ台座のフェースカット
 メーカー毎に違いがあると思うので購入時にどれを実施するのか自転車店と要相談です。工賃がかかることも考慮する必要があります。
・クランク軸(BBと言います ボトムブラケットの略です)が入る部分の幅:
  通常68mmですが、73mmの物もあります。クランク軸はこの幅に合わせて購入します。

■気にしなくて良い規格の種類とバリエーション

・クランク軸取り付け部のネジ:
  統一規格です
・後ろ変速機の取り付けネジ:
  変速段数などには関係なく統一規格です
・後輪のハブが入る部分の幅:
  リアエンド幅 といいます、MTBは135mmで統一されています
  ロードバイクは130mm、ママチャリは120mmなのでMTB用のハブ以外は規格が合いません。

■気になる仕様や規格

・材質:
  カーボンは「樹脂+カーボン」です。樹脂に紫外線を当ててはいけません。室内でも日の当たらないところに置くべきです。
  実際に直射日光当て続けてみる実験をしたことがないので解りませんが、高価なので実験できていません。
  他の素材の場合でもタイヤは紫外線に弱いので直射日光の当たらないところに保管することになります。


...で、選んだフレームがこれ。ブリジストンのカーボンフレーム。Bの長さは582mmです。値段は中国製ママチャリが10台以上買える¥118800。このクラスになると色はオーダーできます。そのぶん発注してから届くまでに1ヶ月もかかります。光の当たる方向によって紫と青に変化する変な塗装。


部品を取り付けてしまうと単体の重さが解らなくなるのでとりあえず計測。シートバンド(シートポストを締め付ける金具)とヘッドパーツ(ステアリングコラムのベアリング)を除いた重さが1370g、金具込みで1448g


カーボン製とはいえ部分的にアルミが使用されています。ネジまでカーボンというわけにはいきません。アルミとカーボンは熱膨張係数が同じなんでしょうか?違っていたらよろしくないはず。
国産のフレームはねじ山に再度タップを通したりする必要はありませんが、外国製は自転車店の仕事になっているらしく、ねじ山も、ねじ山入り口の両サイドの平行度も出ていないので、自転車店で加工してもらう必要があります。工具は市販されているので自分でやることも出来ますが10万円もします。ハンドツールなので加工精度がどの程度出るのかちょっと疑問です。工場で切ったネジを基準面とした加工になるので、自転車店と分業する必要性があまりないように思います。競輪用のフレームは工場でネジが全く切られておらず自転車店でネジを切っていたような気がします。今はどうなっているのかよく知りませんが...ネジの規格がクランクのメーカーによって違っていたのでしょうか? 少なくともMTBの場合、このネジの規格は統一されています。上の方に見える取り付けねじ穴は変速機用の物です、このフレームのようにフレーム断面形状が異形の場合「Eタイプ」という変速機を取り付けます。


各部の形状です。リヤ変速機用のネジも統一規格です。シートポストの径は統一されていませんが27.2mmの物が最も多く販売されています。このサイズでないとシートポストの選択肢が狭くなるので注意です。


このフレームはディスクブレーキ専用でリムブレーキは取り付け不可です。リムブレーキを取り付けられるタイプの物はブレーキ取り付け部分に2本のツノが出ています。ディスクブレーキ台座の2カ所の取り付けねじ穴周辺も塗装が取り除かれ精度が出されています。チェーンプロテクターは最初から付いてました。これがないとチェーンがぶつかって傷だらけになります。



ベアリングが入る部分です。金属ではなくプラスチックのような感じです。左が上部、右が下から覗き込んだもの。これは組み付けると外からベアリングが見えなくなるタイプです。今後増えるかもしれませんが、まだ少数派です。通常は1−1/8インチ内径のストレートなパイプ形状になっています。




乗った印象:

ブロックパターンのタイヤの乗り味が強く、フレームが固いのか柔らかいのか良く解りません。同じ部品を使った別のフレームと乗り比べてみないと違いが解りそうにもありません。もっと細いタイヤを履いてみたら解るかもしれません。前輪が跳ね上げた小石がダウンチューブにぶつかるパキパキ音が気になります。金属のような反響音ではなく、プラスチックにひびが入るような音がします。

チェーンステープロテクターにチェーンが当たる音が大きいので、とりあえず防音のため戸当りテープを貼りました。後でもっとまともな物に取り替えます。2カ所チェーンが当たって塗装が剥がれてしまいました(白くなっているとこと)。標準で張り付いているチェーンステープロテクターはカバーする範囲がちょっと狭すぎです。


巻き付けるタイプに変更。



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