自転車組立 組立:2007-05-20〜2007-08-10

部品を買い集めてマウンテンバイクを組み立てます。パソコンの自作と同じで自転車も規格品で構成されているので、規格を理解していれば組立は簡単です。
マウンテンバイクのことをMTB(Multi Terrain Bike か Mt Bikeの略だと思う)と呼ぶので、以下MTBと略します。


組み立てるのは通勤&買い物用ではなくレース用です。レースに出るのであれば最低限¥80000以上の自転車が必要になります、ホームセンターや通販のカタログで安売りしている物はレースでは使えません。レースは必ずアップダウンがあるので安物は重すぎて使えないのです。そもそも、それ以前に自転車としてみたときに粗悪品としかいえない物が多数あります。後ろにサスペンションが付いていないタイプの物なら13.0kgがレースで使用できるか否かの境界です。それより軽くないと脚力のないアマチュアには負担が大きくなりすぎます。

MTBの競技にはクロスカントリー、ダウンヒルなどの種目がありますが、これから組み立てるのはクロスカントリー用のMTBです。クロスカントリーレースはアップダウンのある周回コースで競われます、下った分だけ登るので、つらい登りに合わせた軽い自転車が必要になります。

自分で組み立てずともずとも完成車を買えば済みますが、自分で組み立てる良いところ、悪いところはこんなところです。

◆良いところ
 1.部品を買い換えないですむ。
    完成車のサドルは必ずしも自分のケツに合うとは限りません。殆どの場合、合わずに買い換えになります。
    ハンドルの前後方向の位置はステムを交換する以外にポジションを変更する方法はありません、完成車に付いてくる物が自分の体型にぴったりとは限りません。
    通勤用なら気にする必要はありませんがレースで長時間乗るのであればサイズが合っていないのは致命的です。
    完成車は価格を抑えるために部分的に安物を使用しています、安物であることが解ると必ず交換したくなります。
 2.組立自体を楽しめます。
    なれるとホイール組(リム、スポーク、ハブを組み立てること)を含めて2日もあれば出来るので、楽しみもあっという間に終わってしまいますが、
    完成した後も自分が組み立てた物に乗っているという満足感を得られます。
    もちろん修理は自転車屋のオヤジに頼まなくても自分で出来るようになります。
    アクの強いオヤジや、出来の悪い仕事をしそうな若造に遭遇しないで済みます。それを仕事にしていても下手くそは多いのです。
 3.同じ物がない自分だけの一台を作ることが出来ます。

◆悪いところ
 1.全く同じ部品で作るなら完成車を買った方が大抵は安あがりです。
 2.工夫次第で購入すべき専用工具の数を減らせますが、どうしても自転車専用の工具が必要になります。
   組立時に一度使うだけで、その後のメンテナンスには必要ない工具もあります。
 3.規格に関する知識が必要です。これはとても面倒ですが情報収集は自分で組立をはじめるための第一歩です。
   同じ規格でもいろいろなメーカーが製品を作っています。どれを使うべきかとても迷います。
   現物を見ることが出来ない通販で購入するならさらに迷いが大きくなります。逆に迷いが楽しめれば情報収集が苦になりません。
 4.低価格の完成車に組み込まれているような安い部品は、それ単体で購入できません、造りも良いが値段も良いものしか入手できないのです。
   そのため、自分で組立を決意するなら最低¥100000以上を覚悟する必要があります。
   もし、これより安く仕上げたいのであればオークションなどで中古品を探すか、あきらめて完成車を購入しなければなりません。


■とりあえず情報収集

自転車部品安売りネットショップを覗いて予算内でどのレベルの物が購入できるのかを調べます。有名なところでは以下のネットショップがあります。
安い=アフターサービスが悪い ...と考えてしまいますが、自分で組み立てる場合、ショップの対応はあまり関係がありません。但し、安いところは不良品以外の返品に応じてくれない所が多数です。間違った注文をしないように注意が必要です。
  ・サイクルベースあさひ
  ・Bicinet Sana
  ・アスキーサイクル
  ・サイクルショップ タキザワ

変速機、ブレーキ、ハブ(車軸)は、ほぼSHIMANOの一社独占状態です。高いモデルと安いモデルでは価格に5〜6倍の差がありますが、低価格帯のモデルの方がコストパフォーマンスに優れています。高い順に以下のモデル(シマノでは「シリーズ」と言っている)がありますが、一番安いDeoreでも十分な性能があるので、価格の違いは重さの違いでしかないように思います。
 ・XTR
 ・DeoreXT
 ・DeoreLX
 ・Deore

ちょっとがっかりな造りのXTRのギア。とても安っぽいので物欲を満足させてくれません。



■組立開始

1.フレームを選ぶ
フレームは頑丈そうに見えますが、思った以上に変形します。元に戻らない変形では無く「しなる」「たわむ」「ゆがむ」を路面やペダル、ハンドル、サドルから力を受けるたびに繰り返しています。雑誌の評価やフレームメーカーの宣伝文句からフレームの個性を推測するのは困難です。全く正反対のことは書いてませんが、欠点には触れないようにしています。商売ですからね。結局、自分で乗ってみないと解らないのでフレーム選びは難しいのです。試乗出来れば幸運です、出来なければ買ってみてから自分を納得させてみるのも良いでしょう。それだって楽しみの一つになります。
2.ホイールを組み立てる
ホイールの組立が自転車組立の中で一番大変です。でも実際やってみると思ったほどではありません。ちょっと根気が必要ですが、理屈は単純なので誰でも出来ます。難しいと言う人もいますし、自転車屋にまかせろと言う人もいますが、程度問題です。これを難しいというのであれば自転車に乗ることの方が難しいと言えます。
3.タイヤをつける
たとえ完成品を買ったとしてもこれくらいは自分で出来るようになっておきましょう。MTBのホイールは簡単に外れるのでママチャリに比べるとタイヤ交換はものすごく簡単です。チューブも¥500〜¥700程度なので、パンク修理を自転車屋に頼むよりもチューブを自分で交換した方が安上がりです。パンクの修理もゴムノリでパッチを貼り付けるのではなく接着剤が最初から付いているパッチを穴の空いたところにぺたっと張るだけです。
4.フォークとハンドルを取り付ける 
専用工具が必要になりますが、自作も出来ます。弓ノコでコラムを切断したりでプラモデル感覚で組み立てるわけにはいきませんが難しい作業はありません。
5.クランクと変速機を付ける
ハンドルの位置は変速機やブレーキのワイヤーがあるのであまり大きく変更できません。最初はポジションが出ていないのでケーブルなど少し長めにしておきます。
6.ブレーキを付ける
ワイヤータイプならあっという間に終わりますが、油圧タイプは空気抜きがあるので時間がかかります。
7.ペダルを取り付ける
ペダルは専用の靴を使うタイプの物です。足を踏み込むだけでなく引き上げることによってもクランクを回せます。一度使うとフラットペダルを使う気にならなくなります。
8.サドルを付ける
取り付けが一番簡単な部品です。でも調整に一番時間のかかる部品です。高さの調整は走り込みながら数日かけて行います。筋力が付いてくると理想的な高さも少し変わります。調整は1mm単位になりますが5mmも違っていると力の入り方が全く変わるので1mmはとても長く感じます。
9.その他の部品の取り付け
スピードメータやエンドバー、ハンドルグリップなどを取り付けます。


お約束になっているので、部品一覧を掲載します。電子回路の部品表より書くの大変でした...
ここに掲載されていない予備のホイールや靴、専用工具などの購入費用があるのでこれで全部ではありません。大散財です。車はもう10年以上同じのに乗っているので、もうそろそろ買い換えたいのですがしばらく無理です。

使用部品一覧
  メーカー 製品名 重量 購入価格 購入先 備考
フレーム ブリジストン アンカー XHM9F 480mm 1448g ¥118,800 アスキーサイクル ヘッドパーツとシートクランプ込み
フォーク FOX F80X 計測忘れ ¥81,990 アクオード 2007年モデル
前ホイール 前ハブ SHIMANO XTR HB-M975 未計測 645g ¥7,528 Bicinet Sana 32H
リム MACHI1 マグネシウム 335g ¥18,333 サイクリングタイム 32H
スポーク DT レボリューション 2.0×1.5 未計測 ¥2,880 タキザワサイクル  
ニップル 未計測 ¥960 タキザワサイクル  
ディスクローター SHIMANO XTR 160mm SM-RT97 133g ¥2,866 Bicinet Sana 重さはロックリング込み
クイック SHIMANO XTR 57g Bicinet Sana  
リムフラップ ミシュラン 16g ¥158 Y'sRoad船橋  
チューブ MAXXIS FLY WEIGHT 26x1.9/2.125 94g ¥1,134 あさひ  
タイヤ MAXXIS MAXXLITE310 318g ¥7,560 轍屋自転車店  
後ホイール 後ハブ SHIMANO XTR FH-M975 未計測 770g ¥13,702 Bicinet Sana 32H
リム MACHI1 マグネシウム 335g ¥18,333 サイクリングタイム 32H
スポーク DT レボリューション 2.0×1.5 未計測 ¥2,880 タキザワサイクル  
ニップル 未計測 ¥960 タキザワサイクル  
ディスクローター SHIMANO XTR 140mm SM-RT97SS 109g ¥2,866 Bicinet Sana 重さはロックリング込み
カセットスプロケット SHIMANO XTR CS-M970 未計測 ¥13,660 Bicinet Sana 歯数:11-32T
クイック SHIMANO XTR 62g Bicinet Sana  
リムフラップ ミシュラン 16g ¥158 Y'sRoad船橋  
チューブ MAXXIS FLY WEIGHT 26x1.9/2.125 94g ¥1,134 あさひ  
タイヤ MAXXIS MAXXLITE310 318g ¥7,560 轍屋自転車店  
ハンドル RACE FACE NEXT SL 31.8mm 112g ¥11,710 一条ウェブ通販 重量はエンドプラグ込み
グリップ UNAUTHORIZED FULL THROTTLE 102g ¥840 あさひ 重量はエンドキャップ抜き
プレッシャーアンカー 自作 無名 45g ¥800 いろいろ ※3
コラムスペーサ ヒラメ CNCコラムスペーサー 49g ¥735 あさひ 高さ50mm
ステム Deda ZERO100 100mm 109g ¥13,104 Bicinet Sana  
エンドバー SHIMANO BAR END ALLOY SL 63g ¥3,864 あさひ 重量はエンドキャップ抜き
シートポスト EASTON EC90 ZERO   ¥19,530 Bicinet Sana  
サドル SELLE SMP STRIKE GRIDER   ¥21,300 アスキーサイクル  
クランク SHIMANO XTR FC-M970   ¥36,403 Bicinet Sana  
ペダル SHIMANO XTR PD-M970   ¥9,471 Bicinet Sana  
前変速機 SHIMANO XTR Eタイプ FD-M970E   ¥7,900 アスキーサイクル  
後変速機 SHIMANO XTR RD-M970   ¥9,969 Bicinet Sana  
STI(ブレーキ一体型変速レバー) SHIMANO XTR ST-M975   ¥26,838 Bicinet Sana  
前ブレーキ SHIMANO XTR BR-M975 F   ¥7,665 Bicinet Sana  
後ブレーキ SHIMANO XTR BR-M975 F   ¥7,885 Bicinet Sana ※1
チェーン SHIMANO CN-7701   ¥1,974 Bicinet Sana  
ボトルケージ TACX TAO シルバーカーボン 68g ¥16,190 Bicinet Sana ※2
チェーンステープロテクター SHIMANO チェーンステープロテクター 22g ¥871 あさひ  
合計(重さの計測誤差は±100g) 9550g  
※1.ディスクローターが140mmの場合、リアにフロント用を使用します。2回に分けて購入したので、前用と同じ物なのに値段が違っています。
※2.価格、重量は2個分

※3.価格は材料費の概算

※.少し色が付いている物はカーボン製
※.SHIMANO製品は重量がほぼ正確なので未計測です




コースに持ってきました。この朽ちたベンチの直ぐ裏側がコースになっています


場所は幕張の千葉マリンスタジアム近く、スタジアムより東京寄りにあります。上の写真のベンチから撮影したマリンスタジアム。左の写真の広場とマリンスタジアムの間は空き地になっていてラジコン飛行機とばすのに良さそうです。写真の直ぐ奥は海なので、ちょっと風が気になりますが... 地図を見たら隣にヘリポートがありました。飛行機飛ばしたらまずいかも。野球の選手が使うのだろうか?


2007−07−17(火曜)までは雑草が生い茂っていて路面が見えませんでしたが、昨日(7/18)と今日(7/19)で雑草の刈り取りがされてきれいになりました。写真で見ると路面は平らに見えますが轍が出来ていて右の写真の緩い登りはかなり荒れています。奥の方では雑草の刈り取りがまだ続いていたので、コースをショートカットして走りました。このコースは登りがないので平均時速22kmほどで走れます。


コースの案内がありますが、実際、走ってみるとコースがよくわかりません。たぶん初めて走る人は知らないうちに逆走すると思います。上級者コースがあるらしいのですがどの部分が上級者コースなのかもよくわかりません。コースの長さは800mだそうです。あっという間に1周してしまいます。コース使用料はかかりませんが、車で行く場合は駐車料金が必要です。¥600だったように思います(コースまで自走したので不確かです)。平日は写真の通りすいています。貸し切り状態でした。


1時間ほど走りましたが、荒れた路面では、後サスペンションがあった方が良さそうです。荒れた場所ではケツを持ち上げ気味に走るので、その間漕ぎがスムーズでなくなります。油圧ディスクブレーキは指一本で良く効きます。ブレーキの握り疲れはありません。帰ってきて気づいたのだが前輪が異常に臭い。ウンコでも踏んだか?。ブロックタイヤはものすごく洗いにくい。



レースに出てきました

SHIMANOバイカーズフェスティバル。種目は2時間のクロスカントリー。場所は長野県富士見町の富士見パノラマリゾート。夏場はスキー場がマウンテンバイクのコースになっています。この写真に見える範囲は日が当たるので路面は乾いていますが、コースの半分以上は奥の森の中を走ります。ぬかるんでいてコースの1/6くらいの時間は自転車を押して走らなければなりません。転倒2回、木に激突1回、木の根で滑って股裂き多数で平均時速8kmちょっと。速い人は平均時速12km台で走ります。途中、調整不良による変速不良が発生したのと、タイヤの空気を少し抜いたりして(グリップが悪いので抜いてみたがあまり効果なし)時間を食ってしまいましたが、せいぜい30〜40秒のロスなので順位への影響はほとんど無かったはず。
このコースは後サスペンションがある方がいいように思います。上の写真の状態のまま出場しましたがハンドルが低すぎでした。乗り降りを繰り返すので、自転車に飛び乗る練習もしないとダメみたいです。MTBはロードバイクよりハンドリングやブレーキング等のテクニックも必要です。
レースの成績は機材の善し悪しよりも個人の技量体力が物をいいます。速い人は何に乗っても速いのです。それでも良い機材を使えばレースの結果を素直に受け止められるというメリットがあります。機材が悪ければそれより順位が下だったはずです。機材が良ければ「あと10位は上に行けたはず」とか「2分はタイムが早かったはず」などという妄想をしなくて済むのです。



ボトルケージを交換する予定ですが、これがほぼ最終形です。後輪のディスクローターが小さくなったのとハンドル&ステム周りが少し変わってます。上のスペック表にある重さ9.55kgはこの写真の状態からサドルバッグとボトルを除いた物です。



時速30kmで走行することが多いのですが。ちょうどこの速度だといいギヤがありません。ギヤ比の小さなロード用のギヤを付けてみました。ロードもMTBも9速は互換性があるので交換できます。

汚れていたので灯油で洗浄。あまりきれいになっていませんが、また汚れるのでこびりついた汚れを軽く落とす程度で止めました。灯油はいつまでも蒸発しないので本当はガソリンで洗った方が乾燥時間が早く済みます。


32T−>27Tになるとギヤがかなり小さく見えます。


グリップがすり減ってきました。これは左側。右側はもっと減っています。そんなに長距離走行していないのですが悪路を走行するので減りが早いようです。両サイドの固定リングを除いたグリップ本体だけ販売されているはずなのですが、入手できなかったのでエンドバー一体型の物に交換しました。


こんなのです。広い面積で支えるので、手のひらのしびれが軽減されると思うのですが、しばらく乗ってみないと解りません。


泥んこレースに備えて目詰まりしにくそうなタイヤを購入しました。


高いリムがこんなことになってしまいました。詳しくはこちら



inserted by FC2 system