ブレーキを取り付ける

今回取り付けるのは油圧ディスクブレーキです。空気抜きの作業が必要なのでちょっと面倒です。

■部品を買う

ディスクブレーキの方が重く高価になりますが、雨の日はリムブレーキより効きます。リムブレーキはリムの振れもきれいに取れていないといけません。ディスクブレーキは「ブレーキ」−>「スポーク」−>「リム」−>「タイヤ」と言う順番で制動力がかかるのでホイールの強度はリムブレーキより気にしなくてはいけません。リムブレーキはほぼ無音ですがブレーキシューの選択を誤るとひどく鳴ります、ディスクブレーキは正しく調整されていても制動時にパッドとローターがこすれてシャリシャリいいます。

前後ブレーキ

ブレーキは小物付属品が多いので交換修理時に入手しやすいSHIMANO製を選択するのが無難です。

■気にしなければならない規格の種類とバリエーション

・ブレーキ台座
  リムブレーキはSHIMANOの「Vブレーキ用」と言う台座が付いています。2本ツノが出ているのが特徴です。
  ディスクブレーキは「インターナショナルタイプ」というものと「ポストマウントタイプ」と言う物があります。
・ディスクローターの直径
  ディスクローターの直径によってアダプターが必要だったり、リアにフロント用を使用したり、いろいろです。

リア160mmディスクローター用のリア油圧ブレーキ。リアのディスクローター140mmの場合、フロント用をリアに使うのが正解。間違えてリア用を買ってしまったので、後で交換して制動力を比較してみます。判らないかも...


フロント側は取り付けねじ穴の足が少し短い。

ブレーキレバー

シフトレバー一体型のタイプと別になっているタイプの物があります。油圧タイプとワイヤータイプではもちろん別の構造です。長時間悪路を走行すると思った以上に握り疲れします。平坦路では効き過ぎるくらいがちょうどいいようです。街乗りにしか使わないのであればMTBのブレーキは効きすぎのように思います。

■気にしなければならない規格の種類とバリエーション

・シリーズ:
  恐らくシリーズ間で互換性のある物が多いと思いますが、無用な問題を起こさないようブレーキと同じシリーズの物を使用するのが無難です。

油圧ディスクブレーキ用のブレーキレバー。バイク(自動2輪)の物よりもずっとコンパクト。バイク用は日本人の手には大きすぎるのです。

■そろえる工具

ブレーキの取り付けには専用工具は不要です。製品により必要な工具は少しずつ異なるのでシマノのホームページからダウンロードできる取扱説明書から必要になる工具を読み取る必要があります。必要な工具の一覧が掲載されている部品もありますし、取り付け手順から読み取らなければならない物もあります。

バイスとプラスチックハンマー(一部の製品で必要になるケース有り)

まさか必要になるとは思いませんでした。ブレーキホースの口に金具をたたき込むときに必要になります。かなり強い力で挟む必要があるので別の良い手段を思いつきません。ワイヤータイプのディスクブレーキやリムブレーキでは必要ありません。


レンチ(ディスクブレーキで必要) 

7mmと8mmのレンチ。空気抜きと、ホースをブレーキに固定するために必要です。



■組立

ディスクブレーキの小物。赤い物はホイールを抜いたときにディスクローターの代わりにブレーキに差し込んでおく物。Y字型の部品はブレーキとローターの隙間を調整するためのシム。0.5mm厚の物と0.2mm厚の物がそれぞれ4枚入っている。これは自分で組み立てなければならない。ブレーキ本体には黄色いスペーサーが入っており、この状態で空気抜きを完了させてからパッドを組み込みます。


ブレーキホースなどはブレーキレバーの方に付属しています。


ホースの長さを決めるためにブレーキを仮固定。オレンジ色のシールが貼ってある部分にホースが刺さります。ホースはカッターナイフで簡単に切れます。


ブレーキホースの組立。ホースを押さえる黄色いジグを使ってホースに金具をたたき込みます。ホースは後からねじることが出来ないのでブレーキとブレーキレバーの位置関係を合わせた上でホースを固定します。


空気抜きはハンドルにブレーキレバーを仮組してブレーキをぶら下げた状態で行います。リアブレーキはホースが長いので前輪の下に何か物を挟んで実施すればOK。


オイルを入れる場所。リザーバータンク。内側は削り出です。蓋はダイヤフラムになっています。


これがブレーキオイル。車やバイクのブレーキオイル(ブレーキフルード)は塗装を剥がすので注意が必要らしいが、これは本当に油なので、塗装面についても大丈夫。


オイルを注入。


後は説明書の手順に従えば空気抜きは簡単。手数が多いので省略。オイルをいっぱいに満たしてから蓋を閉めます。あふれるので下に何か敷いておく必要があります。


空気抜きが終わったブレーキ。オイルは2本付属してきましたが1本で十分でした。


シムを挟んでブレーキの位置を調整。


フレームとホースはタイラップで固定します。タイラップは付属していないので別途購入する必要があります。


前も後ろもパッドはむき出しのまま。


バイクのリザーバータンクは地面に水平ですが、これは垂直より少し下を向いています。



ブレーキ付けなおしました

140mmディスクローターを使うためリアのブレーキをフロント用に交換しました。ブレーキと一緒にブレーキホースも必要になります。これは¥1690もします。


一度組付けてしまうとオリーブという金具がブレーキホースにカシメられて再利用不能になります。長さも30mmほと短くなってしまうので、ホースをそっくり交換しないといけません。前後ブレーキのホースを交換すると¥3000以上の出費になるのでワイヤータイプのように気軽に交換は出来ません。気軽に取り外すことも出来ません。これはちょっと盲点でした。


空気抜きは慣れると袋の中にオイルが入る前に完了できます。


取り付け完了の姿。乗らなくても、タイヤを回してブレーキをかけてみると160mmのディスクローターより制動力がかなり弱くなったのが解ります。


乗ってみた印象:

良く効きます。制動時にシャリシャリ音がするのがちょっと気になります。ホースが長いためだと思いますがリアの方が僅かにムニュッとしています。160mmのディスクローターと140mmのディスクローターでは驚くほど制動力が異なります。制動力が半分になってしまったのか?と思うくらい違います。後輪を140mmディスクローターにすると、「前輪は止まるため」、「後輪は減速するため」という使い分けを強制させられるような感じです。
140mmローターは下りの減速時に後輪をロックさせないようにするための物と考えた方が良さそうです。そんなわけで舗装路だけを走るなら後輪も160mmローターの方がお勧めです。

マウンテンバイクのコースで使用してみましたがグリップの弱い悪路では140mmのディスクローターで十分でした。


inserted by FC2 system