木塀の作り直し

実家の木塀が朽ちたので作り直す


2018-05-17

道路から見るとこんな感じ。特に腐っているようには見えないが18年程度経過している。材料は2x4材。たぶん重い。高さは1200mm。おっさんの身長だと目線は塀の上端あたり

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内側。塗装はペンキ

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L字になっている

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道路側の基礎はコンクリートの基礎が2つあるだけ。角材はこの位置で継いであってこの左は基礎が無い。変な造り。強度上も問題。手前側の角材は塀とは無関係。塀が道路側に倒れないのは写真右上の角材の剛性に頼っている。腐っているので臨時にワイヤーで固定してある

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角材の裏面がこんな感じに腐っている。かなり深くえぐれている。全部ではなく約1.5m程度

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道路側の片側は宙ぶらりんの構造。蛇腹のPF管はインターホンの電線が入っている

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電柱をよけてある。頭は金具一枚で固定。所々造りが間抜け

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隣家の植木があるので同じ構造にすると再塗装はできない。生きているものと死んでいる木材を接近させてはいけない

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車が一台ぎりぎり入る。門扉も塀に固定されている。都市部に近いほど駐車場が異常に狭くなる。ドアを全開にして降りられない。塀の付属物は郵便受け、インターホン、表札

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採寸。塀の長さは15.4m

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2018-05-25

材料買い出し。これは道路側に使う。隣の家との境界はすでに基礎が埋まっているので分解して構造を確認してから決める。側面のへこみは持ち手

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支柱は鉄の角パイプにするのでさび止めとペンキ。最近は水性のほうが品ぞろえが良い。缶にLIXILビバと書いてあるのでビバホームブランド品だと思う。製造はニッペ。ペンキの色見本は現物サンプルを見ないと分からないのでホームセンターで買う。大型店なら色見本があるはず。芝生の庭なので今と同じ茶系統にしたいが茶色のペンキは赤が強すぎる傾向があるので灰色に緑と茶色を少し混ぜた感じの色にした。板は支柱とは色を変える

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かかった費用
品名 購入場所 数量 単価 解説
沓石 「つくいし」 カインズホーム 5 ¥718 180x180x450
水性ペンキ ビバホーム 1 ¥1,450 水性ワイドV アンバーブラウン 0.7L
水性さび止め ビバホーム 1 ¥839 水性さび止 0.25L

2018-05-28

基礎の構造を確認するため写真の範囲を分解

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この支柱は取れない。錆が全くないのでたぶんステンレス。4x4材がちょうど入るサイズ。約φ40mmの丸パイプが150mm程度コンクリートに埋まっている。パイプの中は水が溜まっていたが支柱は全く腐っていなかった

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既存の支柱は切断する。単管パイプ用の台座を角パイプと接合してコンクリート基礎にケミカルアンカーで固定しようと思う。角パイプと台座は充填可能なタイル用のエポキシ接着剤を使って固定。抜け止めにビスを2本程度打ち込んでおけば十分な強度になると思う。溶接のほうが良いが設備が無い

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匂いはウエスタンレッドシダー。木口が隙間なく付き合わせてあったが腐っていない。表面を鉋で削ったらそのまま再利用出来るかもしれない。そもそもこちら側は作り直す必要が無かったような気もする

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塀に関する地域ルール。ほぼ同じ見た目の物になるので特に問題なし

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掘ってみないと分からないが道路側の基礎は擁壁と一体構造になっていると思う。右半分がプレキャストコンクリートのようなので土地に付いていた擁壁。左はセパ穴があるので後から追加された擁壁

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擁壁の角は沓石を埋められない構造

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道路側の塀の土台は元々黄色く書いた部分が有ったらしい。腐ったので取り去った。太い材料なので梁用の材料を使ったものだと思う。たぶん米松

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かかった費用
品名 購入場所 数量 単価 解説
支柱台座 カインズホーム 7 ¥258 単管パイプ用ベース

2018-05-29

角パイプを切断。定尺6mなのでホームセンターで1回カットしている。そうしないと車に積めない。熱くなりすぎると焼きが入ってすごく固くなる。40x40mmは厚さ1.6mmで軽量タイプの単管パイプよりも薄く頼りないので50x50mmにした。厚さは2.3mm

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支柱に取り付ける金具も自作する。ドブメッキ板。長さは2mだと思って買ったが実際は1.82m。追加購入必要

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道路側は地面に20cm埋めるので1.2m。他は1m丁度

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かかった費用
品名 購入場所 数量 単価 解説
支柱用金具 カインズホーム 3 ¥980 ステンレス長ネジ 1m
支柱 ジョイフル本田 2 ¥2,260 鉄角パイプ MARUICHI-T STKR400-E 50x50x2.3 6000mm
支柱カット料金 ジョイフル本田 2 ¥300 鉄角パイプ カット
支柱用金具 ジョイフル本田 1 ¥1,450 ドブメッキ平鋼 4.5x38x1820
支柱用金具 ジョイフル本田 1 ¥800 ドブメッキ平鋼 4.5x38x910
支柱用金具 ジョイフル本田 2 ¥73 ネコピース

2018-05-31

角パイプのキャップを購入。ここまでの費用約2万円

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穴あけ

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タッピングビスの下穴は3.6mm。3.5mmだと入らない。インパクトドライバーを最強にしてねじ込むと折れてしまう。ネジ山径が4.0mmなので0.2mmしか引っかかっていないことになる。錆に対して弱すぎると思われるのでリベット止めを検討してみる。ブラインドリベットの素材は通常アルミであるが異種金属になるので鉄製を注文しておいた

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かかった費用
品名 購入場所 数量 単価 解説
支柱用金具 ビバホーム 11 ¥186 鋼管パイプ用 樹脂キャップ 50角用

2018-06-01

台座には穴が開いているのでパイプの中に接着剤を詰めて塞いでおく。15kg程度余っていたタイル用のエポキシ接着剤。エポキシ接着剤は長期保存出来る。メーカー指定の使用期限は短いがその何倍も持つ

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1.8kg使用。中身が詰まっているものは容易に座屈しない。気温が高いので明日には十分な固さになる。冬場は2~3日かかる

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分解した塀をカンナ掛けしてみた。樹の匂いはウエスタンレッドシダー。但し色が少し白い

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笠木は2x6サイズ。上面はプラスチック板をコーキング剤で貼り付けてあった。たぶん凹型に反って水が溜まったから

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ビス穴は腐りやすいが全箇所腐りは無かった。腐り始めの兆候すらない

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3カ所しか腐っていなかった。大きく腐っている部分は1箇所だけ。どれも持ってみると異常に軽い。平均的な杉よりも軽いと思う

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かかった費用
品名 購入場所 数量 単価 解説
支柱用金具 ジョイフル本田 1 ¥800 ドブメッキ平鋼 4.5x38x910

2018-06-04

パイプに接着剤を詰めて

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台座を差し込んで上から棒で押し込む。下から接着剤がはみ出したら充填されているはず。棒を差し込む前にラップを丁度良いサイズに折りたたんで詰め、棒の先端もラップでくるんでから押し込むと接着剤を付けずに棒を回収できる。ラップにエポキシ接着剤は付かないので完全硬化したらパッキン代わりのラップを取り出す。今日は1本だけ。うまくいったら量産

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2018-06-05

1本に280gの接着剤を使う

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はみ出た接着剤は硬化前に拭き取る。粘度は普通のエポキシ接着剤よりずっと高い。上から突かないと流れない

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2018-06-05

7本接着完了

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かかった費用
品名 購入場所 数量 単価 解説
支柱用金具 カインズホーム 1 ¥148 ステンレス ナットM10 8個入り
支柱用金具 モノタロー 1 ¥365 ステンレス ナットM10 20個入り
支柱用金具 カインズホーム 2 ¥178 ステンレス 長ネジ 250mm
支柱用金具 モノタロー 1 ¥382 M10ステンレスワッシャー 65個入り
支柱用金具 Yahoo!ショッピング 28 ¥138 旭化成ケミカルMUアンカー(打込み型) MU-10

2018-06-07

切断面に錆止めを塗った

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角パイプも同様

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2018-06-08

塗装。乾燥が速すぎて塗りにくい。夕方湿度が上がってからのほうが塗りやすくなる

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金具も塗装

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塗り終わった直後に雨。シミになったらもう一回塗る

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2018-06-09

シミが残った。乾いている時は殆ど分からないが濡らすと浮き出る。下地のさび止めが見えているところもあるのでもう一度塗る

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鉄のリベットが届いた。切断してみるとアルミ製より僅かに薄い気がする

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かかった費用
品名 購入場所 数量 単価 解説
支柱用金具 モノタロー 3 ¥431 鉄製ブラインドリベット35本入り

2018-06-10

塗装3回目。今日は雨。水性で殆ど臭いが無いので室内塗装

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厚塗りしなければ15分程度で付かない程度に乾燥する。乾燥すると少し色が濃くなる。1面塗って15分待って次の1面を塗る。木材にクラフトテープを貼った物の上で塗装している

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刷毛はコテバケを小さく切った自作

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2018-06-11

支柱に穴あけ

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金具をリベットで固定

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リベットの頭を塗装して支柱完成

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2018-06-12

塀を全部分解。梁は集成材だった。国産松か?。集成材は長期間雨ざらしでも接着剤が剥がれたりすることは無い

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一番ひどいところの状態

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ウエスタンレッドシダーと思われる木材も腐った梁に接触していた箇所は腐っている

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ほぼ直接地面に接触していた部分も殆ど腐っていない。ウエスタンレッドシダーらしきこの木材はかなり腐りに強い

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穴掘り。土が柔らかい。たぶんこれが普通なのだと思う。自宅の場合はハンマードリルが必要。穴掘りだけで1日が終わるはず

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沓石を埋めた。工具を忘れたのと雨が降ってきたので今日はこれで終わり。梁が乗っていたコンクリート基礎はたぶん鉄骨が入っているので分解不能。このへんちくりんな構造は擁壁を作るついでに塀のコンクリート基礎を作ってしまえば塀の施工が楽になるという発想で作られた感じ。擁壁が最初からあればこの設計にはなっていないと思う

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分解した木材は持ち帰って高圧洗浄機で洗う。砂が付いたままカンナ掛けすると切れなくなる。2x4を2x2か1x4に製材しなおして再利用する。2x2のほうが作業は楽

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2018-06-13

カドは鉄筋が入っているようで右2カ所は75mmまでしか穴が開かない。ケミカルアンカーが面一になるのが標準穿孔長。ここだけは3点支持。カドは2方向から拘束されるので柱の強度は重要ではない

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グラインダーの切断砥石が届かないので一旦バンドソーで切断してから切断砥石で面一にした。一部焼きが入ってしまっているようでハンドソーの歯がこれ1本で切れなくなってしまった。今日の作業はこれだけで終了。予備の鋸歯を持ってきてやり直す

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2018-06-14

コンクリートドリルで開けた穴は大きめなのでガイドを使って叩き込む。ケミカルアンカーは30秒程度で固まってしまうので慌てて作業する必要がある

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支柱仮固定

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2018-06-19

この状態でモルタルを隙間から充填した。作業効率は悪いが急いでもセメントが速く硬化してくれるわけでもないので確実な方法で施工。モルタルを詰め込んだ後に支柱を差し込んでもいけると思うが鉄パイプの中の空気の逃げ場が無いような気がして止めた。レベルは磁石で張り付くタイプ

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面一よりも数センチ低くモルタルを詰め2度目の充填で面一に均す

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2018-06-21

カンナ掛け

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2x4を1x4にする。作業台はカヤック製作で使ったストロングバックを流用。丸鋸はコーススレッドも併用して固定している

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カンナくずは4袋。全部終わらず。2時間分の作業が残った

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2018-06-23

送りローラーを清掃。刃が切れなくなってきた。切れなくなると音が大きくなる。替え刃は約¥4000

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荒材や塗装済みの木材は底面との摩擦を小さくしないと送り不良を起こす。時々底面に潤滑スプレーを吹いておくと滑りが良くなる

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2018-06-28

ここだけ擁壁のプレキャストコンクリートではなく普通のコンクリートブロック。右上の穴は内部が空洞だった。ボルトが抜けなければいいので空ねりしたセメントを詰めた。そのうち水分を吸って固まるはず。横筋も入っていたので穴が若干斜めに開いた

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平らでないので接着剤を持って均した。気温が高いのでもたついているとエポキシ接着剤がすぐ固くなる

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板を取るとこうなる。ラップは後で剥がす

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道路側はこんな構造。腐りに強く抜けにくい。修理は面倒になるので2x4材を平使い出来るように寸法を決めてある

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板の寸法をそろえた。ビス穴は開いているが内側にすればそれほど目立たない

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2018-07-04

塗装。ガードラックラテックス1回塗り。2回塗り塗料だけど1回塗り。1回塗りのほうが木目が浮き出て見た目は良くなる。色はオーク1+オリーブ2の割合

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ここは取り外しやすいようにシンプルな構造にする。樹が茂りすぎで再塗装するとき隣の家側から作業できない。4カ所ビスを外すと取れる

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2018-07-09

引き続き塗装

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基礎が当たる。板を切るか基礎を切るか。塀にかかった雨が土の上に落ちるのでもっと前に出したほうが良かった

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2018-07-10

隙間広めで貼った。一度腐った木材を再利用しているので間にワッシャーを挟んで隙間を空けてある

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2018-07-10

腐ったところを切り落とすと取れる長さは780mm

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ワッシャーを挟んでいるので水平にして作業したほうがやりやすい

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こんな感じに完成。高さは20cm低くなっている。耐久性を考慮するなら笠木はあったほうが良いと思う

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内側

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道路側より隙間が広い。長いほうは900mm、短いほうが780mm

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電柱は塀の内側。樹があるので目立たない

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かかった費用。木材は再利用したので購入していない。買い置きがあったものは含まれていない。実際はビス類、5本もダメにしてしまったバンドソーの歯、接着剤、塗料、セメント、砂等¥20000程使っている。ネコピースは使わなかった

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