光電センサー高速版の作り方

タイム計測用電センサーキットの組み立て方

注意:
 ・組み立てキットです。半田付けが必要です
 ・フラックスは使わないでください
 ・初心者は鉛フリー半田を使用しないで下さい。鉛フリー半田は温度調節機能付き半田鏝が無いとうまく半田付けできません
 ・プログラムは書き込み済みです。半田付けだけで完成します
 ・両面基板は取り付け向きを間違えると部品が取れなくなるので注意してください。落ち着きの無い人は組み立てに失敗します
 ・FA用の市販品があるので完成品は販売していません

仕様:
 受光器、投光器間距離:(周囲の明るさの影響を殆ど受けません)
  屋外昼間 
    晴天 1m~9m
    曇り昼頃 1m~9m
    雨が降り出しそうな曇 1m~9m
  夜間
    1m~9m
  屋内
    1m~9m
    低く設置すると1m程度の近距離では床面の反射光の影響で動作不良を起こす
 電源電圧:
   5.2~14V
   乾電池なら4本、充電式1.2V電池なら5本
   電源ICの最大定格が14Vなのでエンジンをかけた状態の12Vバッテリーに接続してはいけない。オルタネーターが回っているときは14.5V程度の電圧がある
 消費電流:
   投光器:約52mA
   受光器:約10mA、リレー動作時は28mA。投光器OFFの状態で受光器の電源を入れたまま放置すると電池消耗が激しいので注意
   計算上単3アルカリ乾電池で50時間以上の寿命があると思われる(未テストなので実際の時間は不明)
 出力:
   ・リードリレー 普通のリレーと機能は同じ。小型のため余り電流を流せない。仕様上はAC125Vの時0.1A、DC24Vの時0.5A
   ・トランジスターオープンコレクタ
 OFF遅延タイマー:
   0~4秒  8段階
 最小反応遅延時間:
   リードリレー出力の時約0.5ミリ秒以下
   オープンコレクタ出力のとき約5μ秒以下
 最大反応遅延時間:
   リードリレー出力の時約0.6ミリ秒
   オープンコレクタ出力のとき約10μ秒
 最小遮光時間:
   5μ秒
   これより短い時間遮光された場合センサーが反応しないことがある


2017-08-25

キットを組み立てたところ。基板四隅のネジはキットに付属していません。遮光管は両面テープで貼り付けます
赤いスイッチやLEDの意味はこのページ半分より下のほうに説明があります
リモコンセンサー版との大きな違いは応答速度です。1/1000秒ストップウォッチとして使う場合はこのキット、1/100秒でよければリモコンセンサー版のほうが部品点数も少なく作りやすくなっています

R0036035.jpg

受光器。基板表面。基板四隅のネジは撮影用のためキットに付属していません
・電池を電源として使用するときはこの写真の通り組み立てます
 5VのAC-DCアダプターを電源として使用するときはJ1をショートさせます。切り取った抵抗のリードなどでショートさせてください
・ICSPピンヘッダーはプログラム開発用なのでキットに含まれていません
・3つのLEDは点灯していないときは色が区別できないのでテスターのダイオードモードで点灯させて色を確認します
 テスターが無い場合は1.5V電池を使いLEDの片側の足に510Ωの抵抗を仮付けして点灯させて確認して下さい。LEDは極性があるので点灯しないときは電池の極性を逆にする
・端子はこの写真左から
   「電源+」「電源-」「リレー接点」「リレー接点」「オープンコレクタ出力」
・オープンコレクタ出力は電気に詳しい人向け機能
 これを使うときはリレーは不要なので取り付けない
 リレーは反応速度がオープンコレクタ出力より遅く接点寿命もある
 モーターの回転数を計測するような用途にこのセンサーを流用するとリレーの接点が短期間で壊れる

PICT4071.jpg

受光器基板裏面
・電池を電源として使用するときはこの写真の通り組み立てます
・5VのAC-DCアダプターを電源として使用するときはIC1を取り付けません
・デジタル回転計多機能版と接続しタイム計測器として使う場合はIC1を取り付けません
初心者(不器用なベテランを含む)は絶対に鉛フリー半田を使わないでください。基板が鉛フリー半田の特殊なフラックスでべたべたになり洗浄すら出来なくなります

PICT4075.jpg

投光器基板表面。赤色LEDは赤外線LEDと同時に点灯します。実際には点滅しています。赤外線は肉眼では見えないのでデジタルカメラで確認して下さい。デジタルカメラは赤外線に感度があるので光っているのが解ります

PICT4078.jpg

受光器基板表面

PICT4080.jpg

集合抵抗の向き。抵抗の文字はこの写真には写っていない。組み立て完了すると赤いスイッチに隠れて文字が読めない向きに半田付けする

PICT4082.jpg

ダイオードD1の取付向き

PICT4083.jpg

部品表
・赤外線LEDは完全に透明では無く少し色が付いている
・デジタル回路のキットは調整不要で部品を所定の場所に半田付けするだけで動くので動かないときは半田付け不良を疑う
・両面基板の半田付けは基板に半田を盛り上げるのでは無く穴が半田で埋まれば良い
 熱が逃げやすい場所では盛り上がってしまうが止む無し。半田が流れるまで長時間加熱しすぎると基板と部品がダメージを受けるので注意
 加熱時間は最長6~7秒にする
・ジャンパーは付属していない。必要なときは切り落とした抵抗のリードを使用する。電池駆動(厳密には5V以外の電圧の時)の場合はジャンパーは使わない
・リレーを使う場合はオープンコレクター用の回路 TR1、R1 を取り付けなくても良い
・X1セラミック発振子(3本足の茶色)の周辺が汚れていると動作不良を起こしやすいのでフラックスで汚れたらアルコールで拭き取る
 鉛フリーはんだのフラックスはアルコールでは簡単に落ちないので普通の共晶はんだを使う
・動作不安定なときは発振子X1,センサーPS1、ICソケットの半田付け不良を疑う
・3本足以上の部品の取付向きを間違えたときは部品を壊して取り去る
 基板にダメージがあると基板と既に半田付けしてしまった部品全てが無駄になる

buhinhyo.png

赤丸がプラスで足が長い。黄色丸が集合抵抗の共通ピン

layout.png

赤丸がプラスで足が長い

layouttrns.png

表示の意味
赤LED:投光器からの赤外線を受信していない。点滅しているときは赤外線の強度が不安定なことを意味する
緑LED:投光器からの赤外線を受信している。赤LEDとは点灯、消灯が逆転しているだけ
黄LED:出力がONの時点灯

赤いDIPスイッチの4番をONにすると出力のON/OFFが反転する。電源を入れなおさないと設定変更は有効にならない。この設定で使うと2倍電池消耗が速くなることに注意

OFF遅延時間は表の通り。遮光が解除されてからこの時間経過しないと出力がOFFしない
前輪と後輪で2度センサーを横切ってしまうなどの防止機能
この時間以内に再度遮光されると経過時間はこの表の値にリセットされる

offdelay.png

部品表。同一部品を集計したもの。基板を自作する人の部品買い出し用。黒字の赤LEDは通常輝度の物、色つき文字は高輝度。直射日光が当る環境では高輝度で無いと光っていることが分かり難いので設置がやりにくくなる

buhinhyosyukei.png

投光器回路図。赤外線LEDは3列有りますがこのキットは2列だけしか使いません

irtransmittersch.png

受光器回路図

自作派向け情報:
・2SK4017はLEDを3列点灯させる場合の余裕を見ているためで2列なら2SC1815で十分
 FETがONしているときは100mA流れる
・PIC12F1822,PIC16F628Aは共にPiCkit2でプログラム書き込み可能
・プログラムはかなり小さいので無料版のmikrobasicでコンパイル可能なはず。現在無料版があるかは不明
 mikrobasicの無料版は生成したコードのサイズ(=HEXファイルサイズ)で制限をかけている
・受信機のLEDは多めに電流を流して輝度を上げているので電池寿命を延ばしたいなら抵抗値を大きくするとかなり効いてくる
 特にR2には電流が流れている時間が長いので効果大
 OUT-LEDは輝度を落とすと昼間直射日光の下でのセンサー設置がやりにくくなる。点灯時間は短いので大きくしても節電効果は殆ど無い。NG-LEDも同様
・緑色のターミナル以外の部品は全部秋月電子で入手できる

recieversch.png
参考資料  Copyleft iizukagiken all rights reversed
ファイル ファイルタイプ 添付ファイルの解説
IR_reciever_mbasic.zip mikroBasic mikrobasic PRO プログラム+HEXファイル一式 受光器プログラム
IR_transmitter_mbasic.zip mikroBasic mikrobasic PRO プログラム+HEXファイル一式 投光器プログラム
IR_receiver_eagle.zip EAGLE プリント基板CAD EAGLE V4.15以上用 受光器回路図+基板レイアウト
IR_transmitter_eagle.zip EAGLE プリント基板CAD EAGLE V4.15以上用 投光器回路図+基板レイアウト
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