アルミ缶アルコールストーブ

YouTubeに作り方が紹介されているアルコールストーブを自作してみた
薄っぺらいアルミ缶で作ると予熱に必要な時間が短く市販品より性能の良い物が出来るようだ

性能:
・火力調節はできない
・アルコールの気化熱で本体はあまり熱くならない(アルコールが沸騰するくらいの温度にはなる)
・風に弱い
・点火時に大きな炎が立ち上がらないのでテントの中でも使える
・昼間は燃焼炎が見えない

制作:
・気化ガスの噴出口は多すぎると圧力が落ちて炎が小さくなり鍋底に炎が届かず燃費が落ちる
・アルミ缶をカッターナイフで輪切りにするのはかなり時間がかかる。内部にプチプチを入れてから水を入れ凍らせると固くなって切りやすくなる
・火力は穴の量より内部に仕込む芯の量で変える


2017-01-11

材料はビール缶1個。3分割。一番右は板状になっているものが丸まっている。上の板は使わない。プルトップ側はハンドニブラで大穴にした。輪切りはカッターナイフ。なかなか切れない。水を入れて凍らせてから切った方が逃げないので切りやすいような気がするYouTubeアルコールストーブの自作方法。この人はいろいろな構造で作っているので他の動画も見てみると良い

R0033024.jpg

板を丸めてキッチンタオルのような物を巻き付けてホチキスで固定。カインズホームの工具コーナーに有った物なので主に油を拭き取る用途に使う物だと思う。たぶん材質はパルプ。アルミ缶2枚分の厚さならぎりぎりホチキスで固定できる。燃焼時は熱くなるがアルコールランプの芯もモノタロウで検索するとレーヨン製なので直ぐに炭化したりしないと思う
(追記)キッチンタオルのようなものはScottのSHOP TOWELSというものだったカインズホームやビバホーム等にある

R0033025.jpg

プルトップ側は穴を8個あけた。直径0.7mm。穴径はプリント基板の穴開けに使っているサイズで特に意味は無い。先ほど作った物を飲み口の外周部に填め込む。リングは少しきつめに作っておく

R0033026.jpg

上で作った部品を底部に押し込む。直径が同じなので強く押し込む必要がある。縁を折り込んで完成。薄いアルミなので手で折り込める。缶の中にアルコールを入れ火を付けると上部が加熱されキッチンタオルにしみ込んだアルコールが気化して穴から吹き出し燃焼する。缶底に貯まったアルコールが蒸発して燃える予熱燃焼も燃料が無くなるまで続く。キッチンタオルは気化促進と最後まで燃料を吸い上げるための物。アルコールが気化して熱を奪うので缶の塗料が焦げる温度にはならない

PICT3971.jpg

風に弱いのでバイク用の1リットルエンジンオイル缶で五徳を作った。下側の穴はホーザンのシャーシーパンチを使った

PICT3976.jpg

五徳の中にストーブを入れ燃料用アルコールを35g(約45cc)入れて火を付ける。25gでも実験したが90℃になったところで燃料切れ

R0033035.jpg

アルコールの炎は昼間見えない。性能向上のためには夜間屋外でテストする必要がある

R0033030.jpg

今日は微風。風は弱くても影響は大きい。キャンプ用の薄っぺらい鍋では無いので沸騰に時間が余計にかかる。風で冷却されるので大きな泡が出るほど激しく沸騰しない。小さな気泡が発生し鍋底が騒がしくなっている状態で98℃。カップラーメンなら45ccの燃料で丁度。袋麺だと調理時間が無い。この大きさだと45ccが限界。それ以上燃料を入れたければ背を高くする必要がある。屋外では風の影響を大きく受けるのでストーブ本体より五徳の性能が重要な気がする。改良すれば燃費はもう少し改善できると思う。今の能力だとカップラーメン11杯で500cc燃料用アルコールを使い切ってしまう。燃料用アルコールは一斗缶で買うと1リットル¥300

R0033048.jpg

外気温

R0033042.jpg

水温

R0033046.jpg

400ccの水が沸騰するまで約7分

炎の様子

R0033059.jpg

最大火力時は気化しすぎの感じ。キッチンタオルよりアルコールを吸わないティッシュペーパーのほうがうまくいくかもしれない

R0033067.jpg

鍋の側面に火が回りこんでいる。空気と燃料を混合してから点火するガスバーナーと比べると風の影響が大きい

R0033069.jpg
燃焼中動画
ファイル ファイルタイプ 添付ファイルの解説
alcoholstove.wmv MOVIE 屋外、微風。最大火力状態。鍋を上に置くと熱が逃げにくくなるのでもう少し火力が強くなると思う。ほぼ無音で燃焼する

2017-01-12

外側にも穴をあけてみた。今日はほぼ無風。気化するアルコールの量が同じなら穴が多くなるほどガスの噴出力は弱くなる。若干焦げ臭いので中のペーパータオルが燃えたかもしれない。実験が終わったら分解してみる

R0033081.jpg

鍋を上に置いてしまうと熱が奪われすぎて消えてしまうが適当な蓋を作れば2段階火力調節は出来そう

R0033084.jpg

鍋を置いてすぐは問題ないが

R0033085.jpg

そのうち火力が弱くなり風で消える

2017-01-13

分解してみた。上のほうが焦げている

R0033087.jpg

気化しすぎなのでペーパータオルを取り去って再組立て

R0033089.jpg

側面にも穴をあけたので五徳が燃える。火力が弱く沸騰する気配なし。60度程度にしかならない。ペーパータオルがあるとアルコールは沸騰しないが。取り去ると沸騰するようになる

R0033110.jpg

五徳の形状を変更

R0033122.jpg

やはり沸騰に至らず。ペーパータオルはあったほうが良い感じ。外側に穴をあけると消火しにくい

R0033104.jpg

ススキが全く揺れない無風

R0033119.jpg

5分経過でこの程度

R0033123.jpg

最高温度

2017-01-14

水を入れて凍らせたら破裂してしまった

R0033124.jpg

側面が破裂

R0033126.jpg

体積増加分を見越して水を減らしておいたがあふれている

切断自体はうまくいく。強く押し当てて1回転させるだけで切れる

対策案
・氷や詰め物を先に入れてから水を投入し凍らせる
・広口にして内部に直径の小さい空き缶を入れる。氷は内側にも膨張できるので更に破裂しにくくなる

R0033128.jpg

大型化。500ml缶を使用

R0033129.jpg

ペーパータオルは下に下げた

R0033133.jpg

前作との違い

風は微風。水は雨水なのでかなり冷えている。沸騰時間と燃費はほとんど変わらず。鍋の位置の変化で沸騰までの時間は1~2分変化する。能力は変わらないが燃料を多く入れられるので調理時間が稼げる。五徳の性能向上で大きい泡が出る

R0033139.jpg

五徳は波板で作り直し

R0033145.jpg

五徳の背が高すぎるようなのでかさ上げ

R0033151.jpg

沸騰まで7分半

2017-01-15

内部にプチプチを入れてから凍らせた。プチプチが膨張の緩衝材になって破裂しない

R0033157.jpg

こんな感じ

R0033161.jpg

室内だと沸騰が速い。鍋が大きいと縁がヒートシンクとして機能するため沸騰しにくくなる。調理できるぎりぎりのサイズが理想

R0033172.jpg

気化しすぎを抑え込むため外側にアルミを巻いてみたが効果なし。むしろ促進しているような気がする。ペーパータオルを巻かないと火力が弱すぎで燃焼時間は2倍程度になる。巻くと強すぎ

R0033176.jpg

ペーパータオルを半分にしてみた

R0033182.jpg

丁度良い感じ。ペーパータオルを使うと炎が赤くなるような気がする。燃料に不純物が混ざったかもしれない

R0033184.jpg

2017-01-16

火力調節リング。強->弱は殆ど効果無し。一度暖まってしまうと中央の径を小さくしても火力が弱くならない。最初から絞ると直ぐ消えてしまう

R0033195.jpg

燃料の増減により火力が変化しにくいように下側のペーパータオルを小さくしてみた

R0033186.jpg

2017-01-19

インスタントラーメンを作る実験。使用したアルコールストーブはペーパータオルを三角に貼った大きいほう。またもや微風。気温5℃。水550cc(水温13度)、袋めん2つ+小松菜。アルコール50g(64cc)。麺は沸騰してから投入した。キャンプの場合は沸騰してから投入する必要は無いが無風のため条件を厳しくした

R0033212.jpg

炎の大きさはちょうど良い

R0033213.jpg

袋麺x2

R0033216.jpg

少し遅れて小松菜投入

沸騰するまで9分程度。12分で調理完了。アルコールは5g程度余った。アルコール使用量58cc。今まで沸騰実験に使っていた屋外放置の雪平鍋より50gほど重い。

R0033219.jpg

2017-01-20

燃料がなくなったので一斗缶で購入。モノタロウの15%割引特売日に購入すると18リットルで送料込み¥5000以下。大物は西濃運輸で届く。最近佐川急便は持ち戻り(配達しきれずに持ち帰る)が多い。半年程度前から当方の地域を担当している営業所の体制が変わったようだ

R0033220.jpg
inserted by FC2 system