2014-08-11
病気に強い園芸向きの品種はあまり多くない。調べたところ
デラウェア(欧米雑種)
スチューベン(米国型雑種)
ナイアガラ(欧米雑種)
キャンベル・アーリー(米国型雑種)
マスカットベーリーA(欧米雑種)
このあたり。米国型雑種のほうが欧米雑種より病気に強い。巨峰が簡単に育てられれば理想的だが病気との闘いになるらしい
栽培記録詳細はPlantsNote参照
PlantsNote キャンベル
PlantsNote デラウェア
PlantsNote スチューベン
病気に強くても不味いものは困るので味見。これはマスカットベーリーAを種無し栽培したもの。上に列挙したものの中では一番栽培が難しい。種無しは品種ではなく育て方で決まる。普通に育てると全部種有りになる
デラウェアとほぼ同じ味。粒は一回り大きい。小粒で古い品種が病気に強い
2014-08-13
種無しぶどうを作るためにはこんな薬品を使う。種無し栽培以外にも用途があるホルモン剤
品種によって必要な濃度が異なる
ぶどうの木が2~3本なら、これ一箱¥800で足りると思う
2014-08-15
この3種は近所のスーパーでは売っていないと思うのでネットで予約。北海道産。届くのは秋。スチューベンは晩生種で日よけとしては不適な時期になるが北海道の収穫時期と関東では違うはず
2014-08-21
元々種無しの品種もあった。ヒムロッドシードレス。米国型なので病気にも強い。この品種はシーズン終了で安売りしていた。これで¥700なので食べるだけが目的なら買ったほうが良い。スチューベン、キャンベルと比べると薄味だが他の果物と比べるとブドウにハズレ無し。皮の苦味が薄く我慢すれば皮ごと食べられる
1本で100平米ほど占有するのであまり多くの品種は植えられない清瀬の旭ぶどう園。小粒品種は1kg¥700、大粒品種は¥1400程度
スチューベン(左)とキャンベル(右)も買ってきた。キャンベルのほうが酸味が適度にあって良い。ネットで調べるとキャンベルは糖度が低く酸味が強いとあるが甘すぎず一番普通のブドウの味。むしろ他の品種の方が甘いだけでぼけた味だと思う。皮は苦味が強くて食べられない。両方とも種あり。キャンベルは種無し栽培できないらしい。
2014-08-31
石の隙間から生えてきたこれはブドウのような気がする
踏みつけやすい場所にあるので鉢に移した
2014-09-10
冷蔵庫の処分ついでにぶどう園に立ち寄る。所沢ぶどう園
ナイヤガラを1kg買ってきた。うまさ順では
キャンベル>スチューベン>ヒムロッドシードレス>ナイヤガラ
匂いはナイヤガラが一番良い。糖度が高い方が美味いと感じる人はキャンベルとスチューベンは順位が逆転する
2014-09-17
北海道産も届いた。キャンベルとナイヤガラ。キャンベルはぶどう園の物より中心部が酸っぱい。完熟していない、ジベレリン処理の違い、種類の違い(キャンベルにも亜種がある)があり得る。キャンベルはジベレリン処理による種なし栽培は不可だが実を大きくしたりする効果はある
2014-09-19
鉢に移した物はかなり枯れた。葉が小さくなっているのはスズメ蛾の幼虫に食われたため
2014-09-24
肥料を購入。油かすは窒素が多い。骨粉はリン酸が多い。肥料にはたいてい数字が3つ書いてある。先頭から順番に窒素、リン酸、カリの量を表す。油かすは1袋約¥1000,骨粉は約¥2000
2014-10-09
北海道産のスチューベンが届いた。匂い無し、酸味は低いが必要最低限の酸味はある。糖度は高い。キャンベルの甘さとはちょっと種類が違う。収穫時期がずれるのでキャンベルとスチューベンを各2本程度にしようと思う。全部で2本有れば十分だが予備も育てておく
2014-11-04
キャンベルの挿し木苗を購入。¥598/本。ポットの中で育てた苗では無く、地面に植えた物を掘り起こしてポットに入れた物だと思う
根の状態。かなり長い
土はこれ
仮植え。工事が終わってから定植する
2015-04-04
今まで全く変化が無かったがやっと動き始めた
土を買ってきた
植え付け完了
2015-05-01
スチューベンの安苗を買ってきた。連休に合わせて苗を用意したのだと思うが生長してしまっている。ブドウの植え付けは冬場苗が出回る時期から3月頃までが適期。5月の連休は苗を売るのには適期だが植え付けはブドウに限らず殆どの植物で不適
根がだいぶ生長している。ブドウの植え付け方法を検索すると根を広げて植えるとあるがこうなってしまうと無理。そのまま植えるしか無い
植え方
鉢と土。鉢はすり切り63リットル。黒土だとベタベタになるので赤玉土と培養土を混ぜてみる
蔓が伸びてしまうと移動できなくなるので地植えと同じ。しばらく鉢植えで来年か2年後に地植えする予定。取り出しやすいように防草シートを鉢の中に敷いておく。シートを引っ張れば鉢から取り出せる
簡単に剥がせる根だけ広げて植える
植え付け完了。重くて簡単には動かせない
2015-05-08
デラウェアも1本だけ植えてみた。カインズホームの¥600挿し木苗
根の状態
使用した土。全部で56リットルなので少し余る
2015-08-23
鉢植えのスチューベンは成長が止まってしまった。たぶん土が少ない。キャンベルは生長し続けている
2015-09-18
金網を超えてしまった部分は鹿に食べられた
人気の無い小雨の時が野生動物と遭遇しやすい
針葉樹、広葉樹が混ざっている所を皆伐する
▼
針葉樹は枯れてしまう。たぶん鹿は針葉樹が好きでは無い
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根が残った広葉樹は1年で2m程度の樹高になる
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鹿の頭が届く高さに葉がある
という理由で鹿がやってくるのだと思う
彼岸花は食べない
頭が届く範囲の葉なら何でも食べる
2016-04-01
まだ芽は固い状態。剪定したら樹液がしみ出てきた。休眠期以外の剪定はしない方がよさそう。ブドウは剪定に弱い感じ。テープを巻いたり癒合剤を塗ったりして塞ぐ。癒合剤は主成分が木工用ボンドと同じ酢酸ビニル。トップジンMはかなり水で薄めた感じで樹液が出てしまったときには流れてしまう
2016-04-02
鉢から出して地植え。コガネムシがいる鉢は横倒しにすると土が崩れるので解る
コガネムシがいるとこんな感じに崩れる
一鉢にこれだけいる
植え付け完了
2016-05-22
スチューベンだけ状態が悪い。たぶん黒とう病
殺菌剤オーソサイド80を散布。濃度800倍
散布後の葉(キャンベル)。スチューベン、デラウェア、キャンベル全てに散布。春に芽が展開し始めた直後に散布するのが正解だと思われる。スチューベン苗が連休中に販売されていたのは耐病性が低く春に薬剤散布しないとダメージを受けるからかもしれない。キャンベルデラウェアは黒とう病の症状は出ているものの一部の枝に限られている
2016-07-13
巻きひげを切るための高枝切りばさみを作った。左はプロトタイプ。使った鋏は同じ。樹脂部分は大きな喰切で取り除いた。バネはワイパー替えゴムに入っているステンレスの板。鋏は持ち手の部分もかなり固いので穴開けはせずに水糸で柄に縛り付けてある
グリップ。プロトタイプはリングを指に引っかけて紐を引っ張る
2016-11-08
スチューベンが病気になったのでキャンベルの鉢植えを移植。1本は枯れた。スチューベンはデラウェアやキャンベルに比べると耐病性が低い感じ。ブドウは固い土の中を根が突き進んでいく力が強い。仮植えでも50リットル鉢では小さすぎた
2017-04-06
3月に剪定すると樹液がダダ漏れになってしまうが冬場に剪定した箇所からも春になると樹液がしみ出すことがある。カルスメイトなどの癒合材は酢酸ビニル系なので塗っても直ぐに水に溶けてしまい全く効果が無い。シリコンチューブを被せて栓をしてしまうと止まる。冬場の剪定箇所からの樹液は放置しても問題ないらしいが鼻血と同じで流れ続ければ失血死するのだと思う。枝の近くで剪定するとチューブを被せる余裕が無くなるので基本通り節と節の中間を切ることが重要
追記)
長く伸びた枝の先端を切り詰めるときは節のところで切るらしい
木栓では効果が無い。水を通さない物で栓をする。これはボールペンの後端部。完全には止め切れていないがしみ出す量は劇的に少なくなる
2017-06-04
今年は収穫するので袋をかけた。去年は全部花芽を落としている
キャンベル
デラウェア
2017-06-27
キャンベル。各株1房だけ袋をかけていない。今年は芽が展開し始めた頃にオーソサイド80を散布しただけ。それ以外の薬剤は使っていない
デラウェア
キャンベル取り木。鉢の中は水苔。こうしておくと鉢の中に根が生える。冬場に切り離す。枝がつながっているので挿し木より取り木のほうが確実に苗を増やすことができる
2017-06-29
鉢に移したスチューベンが回復しないので鉢から出した。この状態から殆ど成長せず
根の状態。コブが出来ている。黒いすべり止め付きの軍手の上に乗せているのでコブのサイズはわかると思う
拡大。何かいる
さらに拡大。フィロキセラのようだ。葉に付くアブラムシより足が短くほとんど動かない。和名はブドウネアブラムシ。成虫は羽があるタイプとないタイプがある。根に取りつくと繁殖のため地上に出てくる必要性が無いので打つ手無し。対策はこの虫に耐性のある接ぎ木苗を使うこと。殺虫剤はほとんど効かない。個人が挿し木栽培をするので最近被害が増えているらしい。虫が増えているのか被害を受ける対象が増えているだけなのかは不明。元々はアメリカに普通にいた害虫らしい。フィロキセラでネットを検索してもワインの歴史の情報ばかり出てくるので和名のブドウネアブラムシで検索したほうが良い
処分する。焼いてから
水没させて放置。スチューベンはこれで全滅
2017-06-30
フィロキセラにはモスピランが効くらしい。かなり古い情報「福岡県におけるブドウネアブラムシの発生現況と名種薬剤の効果」を見るとダイアジノンやオルトランは効かないとある。そもそもこの2種はブドウには使えない農薬。モスピランはこの論文より後に開発されたもの。万能殺虫剤のようであるがネオニコチノイド系農薬は環境への悪影響があるという噂もある。カタログスペックは素晴らしく自分で食べる野菜でなければ迷わず使うだろう
黒とう病。ブドウの栽培で一番厄介な病気。雨が原因になるのでこの病気対策のために屋根を付けたりする。カーポートの下はブドウにとって最適。実験のため「傘だけ」「傘+袋」「袋だけ」の3パターンで実を保護している
2017-07-30
食われた。ハクビシンらしいのだが今のところ正体は不明。イチゴほどではないが匂いもあるので袋をかけても食料があることはばれてしまう
2重にネットをかけて対策
2017-08-07
一房だけ収穫。約300g。糖度12.9度。長期間ぶら下げて置いたらどうなるか等の実験もやってみる 追記)今年は14.5度で収穫終了
2017-08-17
雨が降ると樹液が出る。枝が折れた個所、今年虫があけた穴、去年虫があけた穴等から噴き出す。塞ぐのは面倒なので放置している
雨が降り続いているのが原因だと思うが裂果が多い。もっと粒を間引いたほうが良いと思われる
青いうちに内部の粒に押し出されて主軸から剥離すると袋の中で干しブドウになっている。糖度が上がる前なので食べられない
2017-08-17
裂果したものはジュースにした
・味はアルコールの抜けた濃い超甘口ワイン
・糖度が15度あれば加糖は不要
・汁が飛び散ると色が付く <-落ちないので注意!!
・アルミ鍋は酸化するので注意
・煮込んだだけでは抽出できない。潰す必要がある
・澱は沈殿するので丁寧に濾す必要は無い
8房で約1.5リットル
2017-08-26
デラウェア収穫。今年はこれだけ。来年は50房程度に増やす
2017-10-04
キャンベル取り木発根の様子
2017-12-05
取り木を植え付け
枝の断面積は取り木開始時の4~5倍になっている
2017-12-29
樹皮を剥がした。樹皮の中で菌類が越冬するので病気の予防になるらしい。3年目の蔓の樹皮は簡単に剥がれる。2年目は少し無理をしないと剥がれないので放置。今年の蔓は木質化していないので樹皮そのものが無い
2018-04-30
カミキリムシの幼虫が枝に入った。枝の中で越冬するらしい。春に活動を始める。虫が入った個所から先が萎れてくる。細い枝はその先全てがダメになる。太い枝に入るとかなり大きくなるまで影響が出ない
こんな虫。3mm程度。ここは回復不能なダメージを受けていたので枝を切断したがまだ完全にダメになっていない場合は針を突き刺して虫を探す。深く入って取り出せない場合は注射器の先端に瞬間接着剤用のノズルをつけて水を勢いよく噴射すると押し出されて出てくると思う。木工用ボンドを流し込んで窒息させても良い
最初は浅く入ってその後深く侵入するようだ
枝を食われ始めてから症状が出るまであっという間
2018-05-01
かなりたくさん入っている
黄色矢印が虫の入った場所。同じ蔓の隣の節に連続して入っていることが多い。成虫が節毎に卵を産んでいるからだと思う
カミキリ虫の幼虫は頭が大きい
2018-05-09
去年冷凍保存しておいたものを解凍してみた。甘く無い。糖分はどこへ消えた?。ブドウは冷凍不可。これは庭に埋める
ルリイロスカシクロバ。ブドウの蕾を食べてしまう。たぶん葉も食べるが蕾のほうが好きなようだ。雨が降ると葉の裏に退避する
2018-05-17
ほぼ満開。ブドウの花は地味
2018-05-21
カミキリムシが入った枝。若い枝に入るのである程度太くなったら殺虫剤を止められると思う
2018-06-26
たぶんトリバ蛾。侵入後時間が経過しているので糞は黒くなっている。初期の糞は薄茶色
サナギ
2018-06-26
デラウェアに虫が入った。カミキリムシだと思うが種類は不明。写真は糞を取り除いた状態。樹皮を剥がしておくと異変にすぐ気が付く
黒い芋虫。糞を外に出すので居ることはすぐ判る。枝に入るブドウトラカミキリは糞を外に出さないので発見が難しい
2018-08-27
キャンベルはジュースにして瓶に入れておくだけで醗酵してワインになる。冷蔵庫に入れておくと収穫後1カ月延命できる。瓶に栓をしておくと炭酸ガスが溶け込んでスパークリングワインになる。冷蔵庫に入れても醗酵を止められないので糖分は全部アルコールになってしまう。適度な甘みが残っているうちに飲んでしまう