DC-DCコンバータの実験2

出力電圧が入力電圧の2倍になるタイプのDC-DCコンバータの実験をしてみました。


2009-11-14

Microchip社のDC-DCコンバータ「TC1121」
仕様
 ・入力電圧は2.4~5V
 ・出力電圧が入力の2倍になる
 ・出力電流を大きく取ろうとすると電圧がかなり下がる。電圧変動を許容しない物には使えない。
 ・最大出力100mA <-以下の実験のと通りこんなに流せません 30mA程度が実用域
 ・チャージポンプ方式で電圧を2倍にしている
各ピンの意味
 1番:発信周波数の制御。何も繋がないと発信周波数は10kHz、電源+に繋ぐと200kHzで発信する。通常は何も繋がないでよい。
 2番:100μF~200μF程度の容量のコンデンサを繋ぐ
 3番:電源-に繋ぐ
 4番:コンデンサを繋ぐ、2番ピンのコンデンサの反対側の足
 5番:出力 電源電圧をマイナスにした電圧が出る 例えば電源+が2Vなら-2Vが出力される
 6番:電源+につなぐ。電源マイナスに繋ぐと出力が出ない
 7番:OSC 外部発信回路を使って発信周波数を決めたいときはここへ。通常は何も繋がない
 8番:電源+につなぐ。

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DIPタイプのパッケージ 小型のMSOPパッケージの物もある

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回路図。入力電圧がマイナスになった電圧が出力される。従って電源+<->出力端子間が入力電圧の2倍になる

ニッケル水素電池2本でLED2個を光らせる。

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LEDの順方向電圧は1.8V。2個直列にしているので3.6V以上ないと光らない。

ちょうど2倍の電圧にはなりません。

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電圧は5.27V。2倍にちょっと足りない電圧

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電池電圧は2.7V 充電直後なので2.4V以上有る

ESRがどうのこうのといった面倒なことを考えないで済むところは便利。コンデンサの容量は100μF以上必要です。電解コンデンサでも積層セラミックコンデンサでもOK。ブレッドボードで組んだテキトーな配線でも動作します。

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35V470μF

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6.3V 100μF積層セラミックコンデンサ 1個¥40

電流を流そうとすると電圧が激しく落ちます。無負荷で5.27Vの電圧が出ているとき、306Ωの負荷を繋いで電圧は5.0Vちょうどでした。電流を計算すると約30mA。最近のLEDは2mA流せば十分明るいのでLED10~20個光らせる程度の能力といったところです。

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50Ωの抵抗を負荷にしてみると... 3.6Vにまで電圧が下がる

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入力2.7V、出力電圧5Vの時の負荷抵抗値 約306Ω

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