乙4類危険物取扱者

危険物取扱者の試験を受験してみました

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 まとめ
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 概要
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・危険物は少量ならあまり危険では無い。
 大量に集まると危険になる。そのため大量に取り扱うときのルールが大量にある。
・危険物を取り扱う仕事に従事していなければ実質有効であるとは言えない資格。
・国家資格。
・危険物取扱者の資格は8種有る
  甲種:全ての危険物取り扱い可能(乙1~乙6全て取得することに等しい 受験資格に制限有り 当方は受験資格無し)
  乙種1類~乙種6類:危険物の多くは乙4類に属する。
   1類 酸化性固体 身近なところにもあるが物質の名前自体はなじみのない物が多い
   2類 可燃性固体 硫黄など 鉄粉も危険物
   3類 自然発火性物質、禁水性物質 ナトリウムなど水にすごく反応するやつ
   4類 引火性液体 ガソリン、灯油、アルコール、等 動植物油も大量になると危険物なのでここに含まれている <-受験したのはこれ
   5類 自己反応性物質 火薬のたぐい 酸素が無くても燃えるやつ
   6類 酸化性液体 過酸化水素 <-プラスチックの黄ばみを取るのに使えるらしい。そのうち実験してみたい。
  丙種:乙4類の中の主要な危険物の取り扱いが可能
・ガソリンスタンドには最低一人必要
・タンクローリーを運転するために必要
 厳密には危険物取扱者が同乗していれば良いので運転者=危険物取扱者で無くて良い
・合格率は30~40%程度と極めて高い。
 国家資格試験の中では最も易しい部類に属する。
 6~7割も落ちると考えてはいけない。それなりの学習時間と学力(学歴ではない)があれば必ず合格する。
 試験というものは合格率と難易度に相関関係は無い
・免状は写真が古くなったときに更新が必要。10年に1度やればよい。

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 受験
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・受験申込書は消防署で配布している
・通常の国家資格試験と異なり1年に何度も実施されている 東京は特に多いようだ
・合格発表は受験1週間後(受験案内には当日発表とあるが受験人数などによって変更されるのではないかと思う)
・問題用紙は「お持ち帰り不可」
・その代わりに科目毎の得点がわかる
・3科目出題され、各科目6割以上の正答率で合格となる。1科目でも落とせば不合格。
・問題数
  法令:15問 (記憶するのが大変)
  基礎物理化学:10問
  危険物の性質と消火:10問
・試験時間 2時間 <-長すぎ
・5択マークシート方式
・受験料 ¥3400
・受験申込みは受験日の約2ヶ月前
 つまり一度落ちると次回は2ヶ月以上先になる
・合格後の免状は郵送での受領が可能
・免状発行手数料¥2800

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 勉強方法
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・学習時間は2時間/日で2週間、1時間/日なら4週間程度とれば良いと思われる
 暗記問題が多いので日数が少ないときつくなる。
 記憶力の落ちているおじさんは2時間/日で3週間程度が適当
・繰り返し同じ問題が出題される傾向がある。
・頻出問題集が出版されている。
 問題用紙持ち帰り不可なので過去問題集を作るのは難しいはずだか間違いなく過去問題集であるといって良い物が存在する。
・法令以外は全く勉強しなくても合格点を取れる人が多数いると思う(大学を化学受験した人)
 過去問題を先に解いてみて、その正答率で勉強量を調整すると効率が良い
・勉強時間の多くは法規に関する暗記に費やすことになる
・受験料が安いので一発合格をあえてねらわないという方法もある
 勉強時間のコストを仮に¥800/時間とすると受験料は僅か4時間分でしかないので
 2回程度で合格するつもりの勉強量にするのが効率的と思われる
 一発合格をねらうと勉強時間が長くなりすぎて効率的とは言えなくなる
・参考書、問題集共に1冊¥1500以下の物が多い
・定番のテキストおよび問題集
  -向学院の乙4類危険物取扱者受験教科書(赤い本) ¥1400 <-書店では入手できない。向学院のホームページから入手する。
  -オーム社の乙4類危険物試験問題集(青い本) ¥1400 ISBN4-274-20193-7
・暗記しないといけない数値については過去問題から判断できる
 全ての数値(物質の引火点や発火点など)を記憶するのはきわめて困難なので過去問題から絞り込む
 引火点については種毎の引火点の範囲を覚え、危険物がどの類に属するのかを覚えておけばいいって事は過去問題をやると解ってくる
・効率がよいと思われる勉強方法
  1.過去問題を1回分解いて採点
     -全く勉強していないので法令は解るわけがないのでやらない
     -基礎物理化学、危険物の性質と消火に関する現有知識がどれだけあるのか確認する
       法令は問1~15まであるのでそれは飛ばして、問16~問35までをやってみることになる
  2.テキストを4~5時間程度かけて読む。(かなりハイペースだ)
     -上の結果が良ければ「基礎物理化学、危険物の性質と消火」については省略してしまう
     -「指定数量」「保安距離」「引火点」「発火点」など言葉の意味を理解する
     -この段階で数値を覚える必要性はない(覚えるべき数値がこの段階では絞り込めていないはずだから)
      この段階で覚えてしまった方がよい数値は「指定数量」
  3.過去問題集1冊分の約2/3を解いてみる。約200問程度。試験6~7回分に相当する問題量。
     -30分有れば35問解ける
     -答えがわからなかった問題と採点してみて間違った問題には印を付けておく
     -採点後に覚えなければいけない数値を判断し暗記する
      これは35問(つまり試験1回分)毎に行う。1時間程度かかるはず。
  4.上で印が付いた問題を解いてみる
     -2~3日期間を空けた方が良い。直後だと問題を読まなくても正答番号を覚えてしまっている。
     -正答率が70~80%以上なら自分の学力は合格するに十分と判断して良い
  5.過去問題集の残り1/3を解いてみる
     -合格点に達するかここで判断する
      実際の試験に近い問題集なら70点以上取れれば十分合格圏内に入っていると見て良い
      この段階では問題の半分しかやっていないので80点以上取るのは難しいと思う
     -やりかたは3と同様
  6.印が付いた問題を解いてみる。
     -上の4と同様にやる
 この方法で大体25時間かかる。

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 その他
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・受験年齢層 比較的高齢(30才程度か?)


2009-09-28

資格を有していれば「自宅に危険物を大量に保管して良い」とか「トルエンの入手が容易になる」といった特典が与えられるわけではない。資格を生かすためには危険物を大量に扱っている場所を職場とする必要がある。受験申込書は最寄りの消防署でもらえる。Webオンライン申込みはできない。

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受験申込書、受験案内は甲、乙1~6,丙種全部共通

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受験についての詳細は消防試験研究センターのサイトから入手する

試験は毎月開催されているので落ちてもやり直しがききます。殆どの資格試験は1年に一度しかありませんが、危険物取扱者は例外です。

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東京の試験スケジュール。受験者の多い乙4類は月に3回も開催されている

試験の開催頻度も高く内容も比較的易しいので受験申込み後に勉強を始めても十分間に合います。勉強方法はテキストと過去問題集の2冊をそろえればよい。暗記物が多いので講習会のたぐいは多分あまり役に立たない。

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定番の過去問題集。この問題集はやっておくと効果が大きい。全く同じと思われる問題が数問、殆ど同じと思われる問題が10問程度出題された。

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このテキストは詳細すぎる。

受験会場でこのテキストを持っている人が多数いた。3割以上がこのテキストを使っているのではないかと思えるほど多い。書店では売っていないので向学院のホームページから入手する。向学院のホームページはここ。結果発表は受験1週間後の10/2。

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向学院のテキスト。

2009-10-03

通知は結果発表日の翌日に届いた。法令86、物理・化学100、性質・消火100という結果。当方は大学を化学受験しているので法令以外は取れて当たり前。法令は15問中2問間違えたことになる。

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結果通知書。正答率が通知される。

2009-10-06

第二種電気工事士の免状申請のついでに試験センターまで行って申請してきました。郵送でもOKですが、都庁とそんなに距離が離れていないので直接窓口申請。でも実際歩いたらかなり距離があった。申請書と免状発行手数料を支払って申請終了。免状の交付は10/27。郵送されてくるので実際に受け取ることになるのはその1,2日後。

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控えは試験結果通知所にハンコを押してくれるだけ。

2009-10-28

免状が届いた。写真の更新は10年毎、危険物を扱う仕事に就いたときは3年毎に講習受講が必要。これ以外では本籍地が他県に変わったとき、氏名変更時に書き換えが必要。

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免状。甲、乙1~乙6、丙種全部この1枚の免状に纏められる。

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