充電器キットの作り方

■充電器の特徴

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 このキットは販売終了しました  2009-12-24
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 ・1枚の基板で4回路充電器が作れます。4回路作ってもかまいませんし、1回路だけでも動作します。
 ・それぞれの回路は独立していますが、電源アダプターを共有することが出来ます。
  共有したいときはJ1~J6までの必要なジャンパーを接続します。

■購入上の注意点

 【アダプターについて】
   1.直列接続されたバッテリーをバランス充電したいならば、電源アダプターを共有してはいけません。
   2.充電電流の合計がアダプターの容量を超えることは出来ません。超えるとアダプターが過負荷状態になります。
     例1)
       バッテリーの容量:250mAHのバッテリーを4個いっぺんに充電する
       アダプターの容量:必要なアダプターの容量は1.0A つまり1.0A以上のアダプターが1つあればよい
     例2)
       バッテリーの容量:500mAHのバッテリーを4個いっぺんに充電する
       アダプターの容量:必要なアダプターの容量は2.0A
                2Aのアダプターなら1つあればよいし、1Aのアダプターなら2つ必要
   3.アダプターは並列接続してはいけません。
     
■良くある質問とその回答

 Q:完成品の販売はありますか?
 A:完成品を販売するためには製作工賃を上乗せしなければなりません。上乗せすると市販品と同程度の価格になるため完成品の販売はしません。
   注意して半田付けすれば必ず動きます。幸いこの充電器は4回路も同じ物が基板上に乗っています、1つ動けば他の3つも動くはずです。
   もし、一つだけ動作しない回路があれば、他と比べてみてください半田がブリッジして隣の足とショートしているか、部品の向きを間違えているか
   必要な部品を取り付けていないか、取り付け場所を間違えているかのどれかのはずです。
   失敗をおそれることはありません、充電ICを壊したとしてもICだけを数百円で再購入できます。
   よほどひどい扱い方をしない限りIC以外の部品を壊すのは困難です。

 Q:不良品は交換してもらえますか?
 A:充電ICは不良であったとしても交換できません。静電気に注意してください。
   プリント基板にパターン切れやショートがあれば交換できます。もちろん既に半田付けしてしまった部品を含みます。
   プリント基板の交換が可能なのは、不良品であることがほぼあり得ないからです。
   ICの交換が出来ないのはあなたが壊してしまう確率の方がずっと高いからです。


2008-04-06

◆◆◆◆◆ 使い方 ◆◆◆◆◆

1.DIPスイッチで充電電流を設定する
  一番最初にこれをやっておく必要はないが、間違えないように通電前に実行しておくことをお勧めする
  実際には電池を接続する前であればいつ変更しても問題ない
  充電電流の設定は以下の2つの条件を必ず守る必要がある
   ・AC-DCアダプターの能力を超えないこと
   ・1C以上の充電電流にしないこと ★★★ 間違えるととても危険 ★★★
2.親電源(AC-DCアダプター)をコンセントに挿す
3.親電源のプラグを充電器のジャックに挿す
  黄色のLEDが点灯していることを確認する
  もし、赤いLEDが点灯したり点滅したら異常事態を意味するので、プラグを直ぐに抜く
4.充電する電池を接続する
  直ぐに緑のLEDが点灯する
  充電途中で電池を抜いても緑のLEDはしばらく点灯している
  赤いLEDが点灯したり点滅したら異常事態を意味するので、電池を直ぐに取り外す
5.充電初期にヒートシンクが異常に熱くならないか手で触ってみる
  最大能力の1.2Aで充電しているときは「触ることは出来るが、ずっと触っているには忍耐が必要だ」という感じの温度
  0.25A(=250mA)なら「何となく暖かくなっているような気がする」という温度になる
6.緑のLEDが消灯したら充電完了
  充電時間の目安は1C充電で1時間40分程度になる。充電初期は1C充電されるが後半では充電電流が下がるため。
  大容量の電池を少ない電流で充電すると充電がタイムアウトしてしまう。その時は赤いLEDが点灯する。
  タイムアウト時間は約3時間
  大容量の電池の長時間充電をしたいときはキットに付属の積層セラミックコンデンサ(水色の部品を)を大容量の物に交換する必要がある。
  容量に正比例して充電時間を長くできる。キットに付属のものは0.1μFであるが、これを1μFにすればタイムアウト時間は10倍になり
  約30時間までタイムアウトしない。
  赤いLEDが点灯したときは電源を切ってICをリセットしないと充電は再開できない。

PICT6691.jpg

各回路独立しているので1回路分だけ半田付けすれば使用できます。

充電を開始すると緑のLEDが点灯して、充電完了すると消灯するというシンプルな仕組みです。

PICT6700.jpg

充電中の様子。緑のLEDが点灯する。

PICT6707.jpg

充電完了の様子。緑のLEDが消灯する。

これは意図的に異常事態を発生させた物です。充電電流を254mAにして1000mAHの電池を充電しています。充電は3時間では完了しないのでタイムアウトして赤いLEDが点灯しています。

PICT6738.jpg

赤いLEDが点灯して異常事態を知らせる

スイッチと充電電流の関係。
  ・空白部分はOFFの意味です
  ・「X」はONでもOFFでもいいことを意味しています
  ・充電電流は若干の誤差があります 5%~10%の誤差があると見てください

SW8 SW7 SW6 SW5 SW4 SW3 SW2 SW1 充電電流[mA]
全てOFF 100
              ON 119
            ON   140
            ON ON 158
          ON     178
          ON   ON 194
          ON ON   213
          ON ON ON 228
        ON       254
        ON     ON 269
        ON   ON   284
        ON   ON ON 298
        ON ON     312
        ON ON   ON 325
        ON ON ON   339
        ON ON ON ON 351
      ON         357
      ON       ON 368
      ON     ON   381
      ON     ON ON 392
      ON   ON     404
      ON   ON   ON 414
      ON   ON ON   425
      ON   ON ON ON 435
      ON ON       451
      ON ON     ON 460
      ON ON   ON   470
      ON ON   ON ON 478
      ON ON ON     488
      ON ON ON   ON 496
      ON ON ON ON   505
      ON ON ON ON ON 513
    ON           517
    ON         ON 524
    ON       ON   533
    ON       ON ON 540
    ON     ON     548
    ON     ON   ON 555
    ON     ON ON   562
    ON     ON ON ON 569
    ON   ON       580
    ON   ON     ON 586
    ON   ON   ON   593
    ON   ON   ON ON 599
    ON   ON ON     605
    ON   ON ON   ON 611
    ON   ON ON ON   617
    ON   ON ON ON ON 623
    ON ON         626
    ON ON       ON 631
    ON ON     ON   637
    ON ON     ON ON 642
    ON ON   ON     648
    ON ON   ON   ON 653
    ON ON   ON ON   658
    ON ON   ON ON ON 663
    ON ON ON       671
    ON ON ON     ON 675
    ON ON ON   ON   680
    ON ON ON   ON ON 685
    ON ON ON ON     689
    ON ON ON ON   ON 694
    ON ON ON ON ON   698
    ON ON ON ON ON ON 702
  ON             705
  ON           ON 708
  ON         ON   713
  ON         ON ON 717
  ON       ON     721
  ON       ON   ON 725
  ON       ON ON   729
  ON       ON ON ON 732
  ON     ON       738
  ON     ON     ON 742
  ON     ON   ON   746
  ON     ON   ON ON 749
  ON     ON ON     753
  ON     ON ON   ON 756
  ON     ON ON ON   760
  ON     ON ON ON ON 763
  ON   ON         764
  ON   ON       ON 767
  ON   ON     ON   771
  ON   ON     ON ON 774
  ON   ON   ON     777
  ON   ON   ON   ON 780
  ON   ON   ON ON   783
  ON   ON   ON ON ON 786
  ON   ON ON       791
  ON   ON ON     ON 794
  ON   ON ON   ON   797
  ON   ON ON   ON ON 799
  ON   ON ON ON     802
  ON   ON ON ON   ON 805
  ON   ON ON ON ON   807
  ON   ON ON ON ON ON 810
  ON ON           811
  ON ON         ON 814
  ON ON       ON   816
  ON ON       ON ON 819
  ON ON     ON     821
  ON ON     ON   ON 824
  ON ON     ON ON   826
  ON ON     ON ON ON 829
  ON ON   ON       832
  ON ON   ON     ON 835
  ON ON   ON   ON   837
  ON ON   ON   ON ON 839
  ON ON   ON ON     842
  ON ON   ON ON   ON 844
  ON ON   ON ON ON   846
  ON ON   ON ON ON ON 848
  ON ON ON         849
  ON ON ON       ON 851
  ON ON ON     ON   853
  ON ON ON     ON ON 855
  ON ON ON   ON     857
  ON ON ON   ON   ON 859
  ON ON ON   ON ON   861
  ON ON ON   ON ON ON 863
  ON ON ON ON       866
  ON ON ON ON     ON 868
  ON ON ON ON   ON   870
  ON ON ON ON   ON ON 872
  ON ON ON ON ON     874
  ON ON ON ON ON   ON 876
  ON ON ON ON ON ON   878
  ON ON ON ON ON ON ON 879
ON X X X X X X X 1200

スイッチの位置から充電電流が解りますか?
 左 :312mA
 中央:269mA
 右 :708mA
です。

PICT6730.jpg




◆◆◆◆◆ 作り方 ◆◆◆◆◆

完成後の姿です。一番右だけLEDの色を間違えて取り付けているように見えますが、実は間違っているのは基板のパターンの方です。この写真の取り付け方が正しいので注意してください。

PICT6724.jpg

キットの抵抗は混ざってしまっているので組立にはテスターが必要です。

PICT6658.jpg

部品点数はかなり多い

このキットで一番不安になるのは、充電ICの半田付けでしょう。
0.5mm線径の半田を使えばそんなに難しくありません。先ずはMOVIEをご覧あれ。
ファイル ファイルタイプ 添付ファイルの解説
jyudenhanda.wmv MOVIE 充電ICの半田付けの様子

■充電器キット部品表

★印の部品は取り付けの向きがあります
J1~J6はジャンパー線です。切り落とした抵抗のリード線を使用して接続してください。

充電器 部品表
部品番号 型式 数量 商品番号
充電器部品
プリント基板 P板.com製 1 [JYUDEN-KIT]
ネジ M3 6mm 4 [JYUDEN-KIT]
ネジ穴付きスペーサ 12mm 4 [JYUDEN-KIT]
熱伝導両面テープ 40×40mm 1 [JYUDEN-KIT]
DCジャック 2.1mm標準DCジャック 4 [JYUDEN-KIT]
電解コンデンサ C2,C3,C5,C6,C8,C9,C11,C12 4.7μF 25V 8 [JYUDEN-KIT]
抵抗 R1,R12,R13,R24,R25,R36,R37,R48 750Ω 1/6W 8 [JYUDEN-KIT]
抵抗 R2,R5,R14,R17,R26,R29,R38,R41 1kΩ 1/6W 8 [JYUDEN-KIT]
抵抗 R3,R15,R27,R39 18kΩ 1/6W 4 [JYUDEN-KIT]
抵抗 R4,R16,R28,R40 10kΩ 1/6W 4 [JYUDEN-KIT]
抵抗 R6,R18,R30,R42 51kΩ 1/6W 4 [JYUDEN-KIT]
抵抗 R7,R19,R31,R43 24kΩ 1/6W 4 [JYUDEN-KIT]
抵抗 R8,R20,R32,R44 12kΩ 1/6W 4 [JYUDEN-KIT]
抵抗 R9,R21,R33,R45 5.6kΩ 1/6W 4 [JYUDEN-KIT]
抵抗 R10,R22,R34,R46 3kΩ 1/6W 4 [JYUDEN-KIT]
抵抗 R11,R23,R35,R47 1.5kΩ 1/6W 4 [JYUDEN-KIT]
LED1,LED4,LED7,LED10 5mm 緑 ★ 4 [JYUDEN-KIT]
LED2,LED5,LED8,LED11 5mm 赤 ★ 4 [JYUDEN-KIT]
LED3,LED6,LED9,LED12 5mm 黄 ★ 4 [JYUDEN-KIT]
積層セラミックコンデンサ C1,C4,C7,C10 0.1μF 4 [JYUDEN-KIT]
ヒートシンク COMON HS-12216 4 [JYUDEN-KIT]
DIPスイッチ 8P 4 [JYUDEN-KIT]
単セル用IC
充電IC Microchip MCP73863 ★ 1 [MCP73863]
2セル用IC
充電IC Microchip MCP73864 ★ 1 [MCP73864]
単セル用電源
AC-DCアダプター 5V 1.2A以上 1 [5V2A]
2セル用電源
AC-DCアダプター 9V 1.2A以上 1 [9V1A]

電池コネクターを取り付ける端子は大きくしてあります、キットに電池コネクターと電線は付属していませんので各自工夫してください。

PICT6682.jpg

裏面の電池コネクター取り付け端子。裏面と表面の端子は繋がっています。

PICT6684.jpg

表面の電池取り付け端子。四角いパターンの部分だけでなく穴のいているところに半田付けしてもかまいません。

JP1~JP4は充電電流を計測するための端子です。通常はショートさせてください。電流計を取り付けたい人はここに電流計を接続してください。写真のようなジャンパー端子はキットに含まれていませんので各自工夫してください。

PICT6703.jpg

JP1,JP2,JP3,JP4は切り落とした抵抗のリード線でショートさせます。

DCジャックの半田付けは穴を全部埋めるようにする必要性はありません。最大でも1.2Aしか流れないので、この写真のようにアナに接触している部分を半田付けするだけで十分です。

PICT6669.jpg

DCジャックの半田付けの様子

ヒートシンクはキットに含まれている両面テープで取り付けます。熱伝導性の良い両面テープです。普通の文具店で売っている物とは違います。ぶつけると取れてしまいますが、接着剤で取り付けるとICを壊したときに簡単に交換できなくなってしまいます。このキットで壊れる可能性のあるのは充電ICだけです。万が一壊してしまったとしても充電ICだけを交換すれば、大抵それで完治します。ヒートシンクが取れていることに気がつかないと充電ICが過熱しますが、ICには熱保護回路が入っているので過熱すると充電を停止して充電IC自信を保護します。

PICT6685.jpg

ヒートシンクは両面テープで貼り付ける

ショート防止のためにも裏面に出っ張っている端子はニッパーで切断してください。両面テープ(普通の文具店などで売っている物)で絶縁物(厚紙で十分でしょう)を裏面に貼り付けるのも良い方法です。

PICT6680.jpg

裏面に出っ張ったDIPスイッチの端子

売店で販売しているAC-DCアダプターは5ボルト2アンペア、9ボルト1.3アンペアの2種です。充電電流がアダプターの能力を超えないように注意してください。

PICT6727.jpg

売店で販売しているAC-DCアダプター

AC-DCアダプターの能力の範囲内であれば、複数の回路でAC-DCアダプターを共有してもかまいません。その時はジャンパー線を写真のように接続します。このようにジャンパー線を接続した場合はDCジャックを半田付けしないようにしてください。この例ではJ5,J6のジャンパー線を接続しCON3のDCジャックを省略しています。DCジャックを取り付けない理由はアダプターの並列接続を防止するためです。アダプターを並列接続してはいけません。アダプターと充電器双方を壊してしまう可能性があります。

PICT6728.jpg
回路図
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