リチウムイオン&リチウムポリマー電池充電器 作成:2007-11-13〜2008-03-30

リチウムポリマー電池充電器を作ります。充電用のICを手に入れてしまえば作るのは簡単です。...簡単なはずです。たぶん


使用する充電ICはMicrochip社のMCP73863とMCP73864。サイズがDIPではないのでブレッドボードで動作確認するための変換基板を作成します。両面感光基板を使用。


ビアはスズメッキ線で接続。スルーホールは必要最小限に。ピンが折れると交換が面倒なので、ソケット2段重ねで使用。それぞれ1セル用と2セル用です。充電ICはMicrochip社製。


基板のEAGLEファイル




各ピンの機能
ピン番号 ピン名 機能 入力/出力 使い方 普通どうするのか?
1,2 STAT1,2 充電ステータス 出力 点灯、消灯、点滅の組み合わせで充電状態を表す
例えば...
 STAT1がONで、STAT2がOFFなら充電中
 STAT2が点滅なら温度異常
といった具合。全部で9種の状態がある

注意!! STAT1が2番ピンで、STAT2が1番ピンです。
LEDをつないでピカピカさせる
3 Vset 出力電圧の設定 入力 Vssに接続すると...
 MCP73861とMCP73863の場合、充電電圧4.1V
 MCP73862とMCP73864の場合、充電電圧8.2V
Vddに接続すると...
 MCP73861とMCP73863の場合、充電電圧4.2V
 MCP73862とMCP73864の場合、充電電圧8.4V
リチウムポリマー電池ならVddに接続する
4 Vdd1 電源プラス 入力 電源のプラス側につなぐ
MCP73861とMCP73863の場合、電源電圧の許容範囲4.65〜12V
MCP73862とMCP73864の場合、電源電圧の許容範囲9.05〜12V
最大充電電流を流したときに電源電圧の許容範囲を下回らない程度に低く
5 Vdd2 電源プラス 入力 同上 同上
6 Vss1 電源マイナス 入力 電源マイナスにつなぐ バッテリーのマイナスもここにつなぐ 同左
7 PROG 充電電流上限設定 入力 この端子に抵抗を接続して最大充電電流を加減する
抵抗値=(13.2−11×電流値)/(12×電流値−1.2)

電流値=(13.2+1.2×抵抗値)/(12×抵抗値+11)
抵抗値の単位は[kΩ]、電流値の単位は[A]

抵抗値の例は下の表を参照
電流制限したいときは抵抗経由でVssにつなぐ。このICの最大充電電流1.2Aを引き出したいときはVssに直結する
8 THERF 温度センサー
基準電圧
出力 2.5Vの定電圧が出力されている 使わないときは、THERFを20kΩと10kΩで分圧してTHERMにつなぐ。つまり0.83VをTHERMに入力する。
9 THERM 温度センサー入力 入力 入力電圧が1.25V〜0.625Vの範囲に収まるときに充電が行われる。電池の温度が異常になったときにセンサー回路の出力電圧がこの電圧範囲を超えるように設計する。
10 TIMER 安全タイマー 入力 このピンに接続したコンデンサーの容量で充電時間の上限値を加減する。コンデンサーの容量というかな大雑把な方法なのであてにしない方がよい。 0.1μFをつないで3時間で充電を強制終了させる。正確なタイマーが必要なときはPIC等でENを制御する。
11 Vss3 電源マイナス 入力 電源マイナスにつなぐ バッテリーのマイナスもここにつなぐ  同左
12 Vbat1 充電端子+ 出力 バッテリーのプラスにつなぐ 4.7μFでVssに接続 同左
13 Vbat2 充電端子+ 出力 同上 同左
14 Vbat3 電池電圧検知 入力 バッテリーのプラスにつないでバッテリーの電圧を検知する。 同左
15 Vss2 電源マイナス 入力 電源マイナスにつなぐ バッテリーのマイナスもここにつなぐ 同左
16 EN 充電機能on/off 入力 この端子をVddにつなぐと充電機能ON
Vssにつなぐと充電機能OFF
Vddにつなぐ


PROG端子に接続する抵抗の値を計算するとこんなになります。無限Ωでも100mAなので最低充電電流は100mAです。式に強引に50mAを代入すると抵抗値がマイナスになってしまいます。

PROG端子につなぐ抵抗値の値
抵抗値[Ω] 充電電流[mA]
-21083 50
54493555491183000000 100
19250 150
9167 200
5806 250
4125 300
3117 350
2444 400
1964 450
1604 500
1324 550
1100 600
917 650
764 700
635 750
524 800
428 850
344 900
270 950
204 1000
145 1050
92 1100
44 1150
0 1200


リチウムポリマー電池を購入しました。容量は250mAH、送料込み3個で¥3100。購入先はロビン。メール便で送付してくれるので送料がとても安く済みます。


ブレッドボードで回路を組んで充電中。充電中はICがかなり熱くなります。固まるタイプの放熱シリコンでヒートシンクを貼り付けた方が良さそうです。電池の方ではなくIC自体が過熱しすぎたときの安全装置もICに内蔵されています。ICは売店で売ってます。実験結果が良好なら多連装の充電器にしてみようとおもいます。リチウムポリマー電池は最大1C充電なので、空っぽの状態から満充電まで1時間かかります。多連装にしないと電池の交換が面倒です。


回路全景。IC以外の部品は¥200程度か? 実際の回路にすると基板とか親電源アダプター、電池コネクター、電流切り替え回路などいろいろ付属品が必要です。


電圧が6.4Vになるまで1Aで放電させてみました。


結果、212mAH。電流をもっと少なくすれば定格容量の250mAHまで出力できたかもしれません。


充電は電池の端子間電圧が8.4Vになるまで、PROG端子に接続した抵抗値により決められた定電流で充電され、その後8.4Vを維持するように定電圧で充電されるようです。定電圧充電状態で充電が進むにつれ満タンに近くなると充電電流が次第に小さくなり、これまたPROG端子に接続された抵抗によって決められる最低充電電流に達すると充電が終了します。

もう一個の電池で2A放電させました、結果はこの通り。


3個目の電池はちょっと容量小さくなりました。なんででしょ? 電池には端子が2つ付いていて一方は1セルごと別々の配線になっているのでセルの状態を個別に確認できます。一方が空でもう一方は容量が残っているのではと思いましたが、両方とも空でした。


250mAの充電電流でも、親電源が11VもあるとICは60度以上になります。


100×80の基板にレイアウトしてみました。このサイズだと4連装までいけそうです。空っぽの状態から満タンになるまで約1.5時間かかりますが、容量の殆どは充電初期の定電流モードの時に行われるので、急ぐなら1時間で充電を止めてしまっても充電容量には殆ど影響ありません。


3個目の電池を再度充電し直した。193mAHと他の物よりちょっと容量が小さい。たぶん個体差だと思う。


部品の買い出し。交通費は通販の送料より安いのだが、4時間かかる。時給¥800としたら通販の方が安上がりだ。買い出しに行くたびに風景が変わっている。そう遠くない将来、秋葉原からおじさんの聖域は消滅するかもしれない。充電ICのヒートシンクは剣山タイプの物にした。こんなんで¥100はちょっと高い。


こんなのも買いました。熱伝導両面テープ。40×40mmで¥100。これもちょっと高い。


基板のパターン完成。


初めて使う素子なので動作実験。可変型の電源ICなのだが定番のLM317Tではない。LM317は入力と出力の電圧差が3V以上必要なのだが、これは0.5Vでも大丈夫なやつ。出力は最大1.0Aだが、データシートを見る限りもうちょっと大丈夫そう。親電源は車のバッテリーでも使えるように12Vにするので充電初期の電池の電圧を7.2Vとすろと (12−7.2)×1.2A=5.76W もICが発熱することになる。小さなICなのでさすがに約6Wは無理。そこで親電源を電源ICで9V近くまで降圧させて使う設計にした。12V−>9VなのでLM317だとぎりぎりすぎる。


リチウムポリマー電池は発火する危険性があるので専用のケースを購入した。これで大丈夫か疑わしいがプラスチックのケースよりはましなはず。過充電したときに発火するらしいので、専用の充電器を使うときにはまず問題ないそうだ。保管時にはまず発火のすることはないと思うが念のため。


基板を作成。いつもの感光基板。いつも4分20秒露光しているのだが、やたらと現像に時間がかかった。


基板完成。サイズは100×100mm。放熱器がちょっと小さすぎるような気もするが、あまり大きくすると放熱器に回路がくっついているみたいになるので小さいのにした。


買い忘れがあって通販で部品を追加購入。


今回は2セル用のMCP73864を使用した。1セル用のMCP73861の場合、は以下の箇所を変更すればOKなのだが
 1.電源IC(PQ20RX11)の付近にある5.1kΩの抵抗を1.8kΩに変更
 2.親電源は6V以上の物を使う
親電源に12Vを使うと電源ICでの発熱が大きくて充電電流を大きくすることは出来なくなる。この場合、電源ICを取り除いて5VのAC−DCアダプターを使用するほうが回路もシンプルになって良い。車のバッテリーを親電源に出来なくなるが1セルの電池を使う環境(たぶん屋内)と2セルの電池を使う環境(たぶん屋外)は違うはずだ。

半田付け完了の図。裏面にあるのは充電ICのみ。


親電源はこれにした。秋月電子の12V5Aのアダプター。だが、これがくせ者だった。


アダプターの出力をオシロスコープで計測したのがこの写真。AC計測モードにして直流成分はカットしてある。左が無負荷。右が330Ω負荷。横軸は1マスが0.1秒。画面の端から端までがちょうど1秒だ。出力電圧がこんなにも変動するのだ。このおかげで充電器が充電を開始してくれない。実験の結果200Ω以下の負荷(抵抗)を接続するときれいな直流が出てくることが解った。このアダプターは最低でも50mA程度電流を流してやらないとまともに動作してくれないようだ。


1Aの充電電流を流すとかなり発熱するのでヒートシンクは必ず必要。両面テープ方式の熱伝導シートでヒートシンクを貼り付けた。それでも夏場はきついと思う。小さいヒートシンクなので充電電流は700mA以下に抑えておいた方が無難だ。


4個まとめて充電しているの図。充電中は緑のLEDが点灯し。完了すると消える。赤いLEDは異常事態が発生したときに点灯する。異常事態とは寿命が過ぎた電池を充電したときや、充電時間がかかりすぎたときなどだ。


2セル充電器 部品表
     数量 単価 価格 購入先 備考
プリント基板 100×100 サンハヤト41K 1 \483 \483 千石電商  
AC−DCアダプター 12V 5A 1 \1,700 \1,700 秋月電子 1セルの場合、6V以上あればOK ※3
DCジャック 2.1mm標準DCジャック 1   \100 秋月電子 4個入りなので3個余る
熱伝導両面テープ 40×40mm 1 \100 \100 千石電商  
充電IC Microchip MCP73864 4 \390 \1,560 工作室売店 ※1
電池コネクタ   4 \220 \880 ロビン  
電解コンデンサ C1,C6 4.7μF 25V 8 \16 \128 千石電商  
電解コンデンサ C5 47μF 16V 4 \21 \84 千石電商  
電解コンデンサ C2 100μF 16V 4 \11 \44 千石電商  
抵抗 R1,R2 1kΩ 1/6W 8   \16 千石電商  
抵抗 R3 5.1kΩ 1/6W 4   \16 千石電商 1セルの場合、1.8kΩにする
抵抗 R4 2kΩ 1/6W 4   \16 千石電商  
抵抗 R5 18kΩ 1/6W 4   \16 千石電商  
抵抗 R6 10kΩ 1/6W 4   \16 千石電商  
抵抗 R7 51kΩ 1/6W 4   \16 千石電商  
抵抗 R8 24kΩ 1/6W 4   \16 千石電商  
抵抗 R9 12kΩ 1/6W 4   \16 千石電商  
抵抗 R10 5.6kΩ 1/6W 4   \16 千石電商  
抵抗 R11 3kΩ 1/6W 4   \16 千石電商  
抵抗 R12 1.5kΩ 1/6W 4   \16 千石電商  
抵抗 R13 200Ω 1/6W 4   \16 千石電商  
LED1 5mm 緑 4   \210 千石電商 10個の価格
LED2 5mm 赤 4   \100 秋月電子 10個売りなので10個の価格
積層セラミックコンデンサ 0.1μF 12   \200 秋月電子 10個売りなので20個の価格
電源IC PQ20RX11 4   \100 秋月電子 1パック4個入り
ヒートシンク ASK0719−07 4 \105 \420 千石電商  
ヒートシンク 大倉電子産業 M25−A1 4 \42 \168 千石電商  
DIPスイッチ 8P 4 \60 \240 秋月電子  
ネジ 4mm 12 \3 \36 廣杉計器  
ネジ穴付きスペーサ 12mm 4 \12 \48 廣杉計器  
合計 \6,793   
※1.MicrochipDIRECTで購入すると約¥250だが、送料が$15かかるので工作室売店の価格とした。
    1セルの場合、MCP73863に変更する
※2.抵抗は最低10本単位での購入となるので10本の価格
※3.このアダプターでは上に書いたように充電できない。個体差かもしれないのであえて200Ωの抵抗は部品表に入れていない。
    もし、このアダプターを使うならDCジャックの付近に200Ω 3W程度の抵抗を入れればOKだ

    自動車のバッテリーを親電源にするなら不要

回路図にあるR53〜R55はジャンパー線


回路図 <−GIFファイル

回路図&基板パターン <−EAGLEのファイル

この充電IC MCP7386Xシリーズには4品種あって
 1セル用 MCP73861、MCP73863
 2セル用 MCP73862、MCP73864
となっているが MCP....1 と MCP....3 それと MCP....2 と MCP....4 の違いは充電が完了するとLEDが消灯するか、点滅するかだけの違いのようだ。今回使ったのは消灯するタイプ。PIC等で制御する場合は点滅タイプの方が扱いやすい。充電完了時の消費電力を抑えたいなら消灯タイプの方が良い。

新品の1000mAHバッテリーを充電してから放電してみた。結果847mAH。やはり満タンにはなっていない。充電電圧をもっと上げれば満タンになると思うがこの充電ICにはそれを変更する方法はない。いたわり充電ということで良しとしよう。


充電電流はDIPスイッチで変更する方式。PROG端子につなぐ抵抗値をこのスイッチで変更する。複数のスイッチをONにしても問題はない、その時はONにしたスイッチに繋がっている抵抗の合成抵抗値で充電電流が決まる。抵抗値は51kΩが最大で、その半分、更にその半分といった値の物がついている、こうすると合成抵抗値はなめらかな曲線を描く。結果、充電電流も100mA〜700mAまでほぼ無段階で調整できる。7番のスイッチに繋がっている抵抗だけは例外で200Ωを取り付けてある。これは1000mAHちょうどで充電したいときにつかう。7番のスイッチがONの時は、それ以外をOFFにして使用する想定だ。最後の8番のスイッチはPROG端子をGNDに直結するためのもの、これをONにすると最大充電電流の1.2Aで充電が行われる。


2Wの抵抗をつけました。2セル版はこれで完成です。


買い出しに行ったときに千石電商で見つけました。こっちの方が良かった。4個で¥140で、しかも放熱用両面テープも付いてます。これで約¥400安くできます。


単セル用充電器


AC−DCアダプターに5V出力の物を使う想定で、1セル用の回路に変更してみた。上の物から電源ICを取り除いただけ。12Vの親電源にこだわらなければ、こちらの方が部品点数も少なく合理的。


回路図 <−GIFファイル

回路図&基板パターン <− EAGLEのファイル

充電電圧を変更する方法がないと書いてしまったが、この充電ICはVbat3端子の電圧が8.4Vになるまで充電するしくみなので、出力(Vbat1,2)を抵抗で分圧してVbat3に接続したら充電電圧を調整できるかもしれない。 <−これダメです。充電完了後に抵抗経由で放電してしまいます。

上のパターンをちょっと改良。セルを個別に充電できるように1セル版は電源を全部分けました。AC−DCアダプターが4つ必要になります。基板は感光剤を落とす前に穴あけをしています。普段は穴あけが完了するまで現像液が片付かないのが嫌なのでフラックスを塗った後に穴あけをしています。部品がないので半田付けはここまで。また、買い出しです。


単セル充電器 部品表
   数量 単価 価格 購入先 備考
プリント基板 100×100 サンハヤト41K 1 \462 \462 千石電商  
AC−DCアダプター 5V 2A 4 \550 \2,200 秋月電子 ※3
DCジャック 2.1mm標準DCジャック 1   \100 秋月電子 4個入り
熱伝導両面テープ 40×40mm 1 \100 \100 千石電商  
充電IC Microchip MCP73863 4 \360 \1,440 工作室売店 ※1
電池コネクタ ピンヘッダー 1 \50 \50 秋月電子  
電解コンデンサ C1,C6 4.7μF 25V 8 \16 \128 千石電商  
抵抗 R1,R2,R54 1kΩ 1/6W 12   \32 千石電商 20本の価格
抵抗 R4 2kΩ 1/6W 4   \16 千石電商  
抵抗 R5 18kΩ 1/6W 4   \16 千石電商  
抵抗 R6 10kΩ 1/6W 4   \16 千石電商  
抵抗 R7 51kΩ 1/6W 4   \16 千石電商  
抵抗 R8 24kΩ 1/6W 4   \16 千石電商  
抵抗 R9 12kΩ 1/6W 4   \16 千石電商  
抵抗 R10 5.6kΩ 1/6W 4   \16 千石電商  
抵抗 R11 3kΩ 1/6W 4   \16 千石電商  
抵抗 R12 1.5kΩ 1/6W 4   \16 千石電商  
抵抗 R13 200Ω 1/6W 4   \16 千石電商  
LED1 5mm 緑 4   \210 千石電商 10個の価格
LED2 5mm 赤 4   \100 秋月電子 10個売りなので10個の価格
LED3 5mm 黄 4   \200 秋月電子 10個売りなので10個の価格
積層セラミックコンデンサ 0.1μF 4   \100 秋月電子 10個売りなので10個の価格
ヒートシンク COMON HS-12216 1   \140 千石電商  
DIPスイッチ 8P 4 \60 \240 秋月電子  
ネジ 4mm 12 \3 \36 廣杉計器  
ネジ穴付きスペーサ 12mm 4 \12 \48 廣杉計器  
合計 \5,764  
※1.MicrochipDIRECTで購入すると約¥220だが、送料が$15かかるので工作室売店の価格とした。
※2.抵抗は最低10本単位での購入となるので10本の価格
※3.直列接続されていない単セルならアダプターは1つでよい。J1〜J6をジャンパー線でつないで各回路に電力供給する。

回路図にあるJ1〜J6はジャンパー線


何故か1つだけエラーになる <−MOVIE

エラーの原因はこれだった。こんなに遠い距離を半田ブリッジしてしまうことは滅多にない。コテの温度が適切なら、やろうと思ってもブリッジなど出来ない。コテの温度が下がったとき(たぶん電源を切ったのだろう)に半田付けしたに違いない。


完成の図。各セルを個別に充電しているところ。充電電流は1Aに設定。このヒートシンクのサイズだと1Aが限界と見ていい。最大能力の1.2Aで充電するならもう少し大きいヒートシンクがほしいところ。左側の2系統は単セルの充電用にした。


回路図 <−GIFファイル

回路図&基板パターン <−EAGLEファイル

充電した電池を放電させました。2セル用とほぼ同じだけ充電できました。まだ新品なので各セルのばらつきは無いのでしょう。


◆◆◆ キット化 ◆◆◆

基板メーカーに発注予定の基板、両面基板なので部品を密に配置してサイズをちょっと小さくした。ICの向きを90度回転させてヒートシンクを取り付けやすくした。大きめのヒートシンクを複数のICにまたがるようにして放熱両面テープで貼り付ければ、かなりしっかり取り付けることが出来る。ICは2セル用も1セル用もピン配列が同じなので基板は共通して使用できる。一番難しいのは何枚発注すべきかだ。少ないと1枚あたりの価格が高くなってしまうし、多すぎると売れ残ってしまう。


P板.comにオーダーした基板のパターン&回路図 <−EAGLEファイル
P板.comにオーダーした基板のガーバーフォーマットファイル <−これで作ってもらいました

できあがった基板


基板のパターンを間違えて一番右側だけかっこ悪いことになってしまった。LEDの色が逆。


充電電流の確認。だいたいDIPスイッチで設定したとおりになる。計算上は254mAのはず。抵抗の誤差があるのでこれくらいはやむを得ない。


半田ごてで指を焼いてしまった。焼くと、こんな色になります。


キットの完成状態はこちら


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